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2期連続で全地域の景気判断を下方修正、リーマン以来-日銀報告

更新日時
  • 正常化に向けた動きも、当面下押し圧力続く-大阪支店長
  • 名古屋支店長「自動車の生産調整は峠越えた」、豪雨被害も注視

日本銀行は9日、7月の地域経済報告(さくらリポート)を公表し、新型コロナウイルス感染症の影響により、景気の総括判断を全国9地域全てで下方修正した。全地域での判断引き下げは2四半期連続で、リーマンショック後の2008年10月調査・09年1月調査以来となる。

  各地域の景気判断をみると、「悪化している」または「厳しい状態にある」などとし、前回調査の「弱い動き」、「下押し圧力が強い」などから表現が一段と厳しくなっている。

  需要項目別にみても、個人消費と雇用・所得は全地域で判断を引き下げた。個人消費の全地域判断下方修正は05年4月の現行形式のさくらリポートの公表以降で初めて。生産は8地域、設備投資と住宅投資は7地域で下方修正するなど総じて悪化方向の動きとなっている。各地で緊急事態宣言などを受けた外出の自粛などによる消費活動の停滞、世界的な自動車販売の不振に伴う生産の減少などが指摘されている。

日銀本店

日銀本店

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  足元では、緊急事態宣言の解除を受けた経済活動の段階的な再開などを受け、個人消費の一定の戻りもみられているものの、企業からは「雇用と賃金の両面で下押し圧力が強まっていく中で、今後は消費者の節約志向が強まる可能性がある」(広島支店・スーパー)など慎重な声が多く聞かれているという。

  日銀調査統計局は、先行きについて、家計の所得形成に対する警戒もあり、状況をしっかりと見ていく必要がある、と説明している。

企業は厳しい見方

  会議終了後にテレビ会議方式で会見した山田泰弘理事・大阪支店長は、近畿地区経済について、「経済活動の正常化に向けた前向きな動きもみられる」としたが、地域の企業は内需・外需の動向に「厳しい見方を崩していない。先行きもしばらくは、下押し圧力が大きい状況が続くと思う」と警戒感を示した。

  清水季子理事・名古屋支店長も、「自動車業界を中心として生産調整は6月までに峠を越えており、早いところでは増産に向けて資材の発注を増やしている」としながらも、こうした輸出・生産を起点とした改善の動きは「緩やかなものにとどまる」と指摘した。

  九州を中心とした豪雨被害の影響について宮下俊郎福岡支店長は、甚大な被害が出ている筑後地域には化学メーカーが集積しているとし、「生産設備に大きな影響が出たとの話は今のところ聞いていない」としたが、休業が長期化すれば「部品の供給制約の可能性もありうる。今後の状況を注視していく」と語った。

  黒田東彦総裁は会議冒頭のあいさつで、豪雨被害に関して「災害の実体経済への影響を注視するとともに、金融機能の維持と資金決済の円滑の確保に努めていく」と強調した。

(名古屋・福岡支店長会見を加えて更新しました)
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