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九州豪雨の保険金支払い、西日本豪雨ほど膨らまずームーディーズ

  • 損保収益への影響限定的、西日本豪雨の支払い2000億円
  • 風水災カバーする火災保険の収支は赤字続き-今後値上げの可能性も

九州地方に甚大な被害をもたらしている豪雨が、国内の損害保険会社の収益を大幅に悪化させることはいまのところないもようだ。ムーディーズ・ジャパンの牧本聡一郎シニアアナリストは「最終的な経済損失はまだ不明だが、2018年の西日本豪雨の規模は下回り、今回の豪雨の保険損失により損保の収益が赤字に落ち込むことはないだろう」と分析している。

キーポイント
  • 18年7月の西日本豪雨による保険金支払い(車両・火災・新種保険)は2000億円(5万5000件)-日本損害保険協会
  • 今回の被害は九州を中心に局所的-牧本氏
  • 球磨川周辺は郊外の住宅地で、筑後川周辺には休業補償が必要な大規模工場はなさそう-牧本氏

  一般的に、被害が局地的な水害よりも広域にわたる台風の方が保険金支払いの方が大きい。西日本豪雨の発生した18年には、9月に被害額1兆円超の台風21号、同3100億円の台風24号と大規模な自然災害が相次いだ。どちらも西日本豪雨を大きく上回る保険金支払いが発生したが、大手3社は1000億円を超える純利益を確保した。

  各社とも年間の国内自然災害による保険金支払い計画を立てており、最終黒字を確保できても、計画を上回れば利益への影響はある。1991年9月以降の風水災のうち支払保険金額が大きい10のうち5つが18年以降に発生している。損保各社は最近の自然災害の多さから、自然災害支払い見込みの増額、再保険の手配、異常危険準備金の積み立てなどで、利益に与える影響の抑制に取り組んでいる。

  ただ、風水災をカバーする火災保険の収支は赤字続きで、自動車保険、賠償責任、資産運用などでカバーしている格好だ。牧本氏は「火災保険の保険料率も少しずつ上げているが、過去の自然災害の損失を後追いする形。今後も値上げは続く可能性はある」とみている。

18年以降の風水災による主な保険金支払い(日本損害保険協会調べ)

時期災害名地域支払件数支払保険金
2018年9月台風21号大阪・京都・兵庫など85万7000件1兆700億円
2019年10月台風19号(東日本台風)東日本中心29万5000件5800億円
2019年9月台風15号(房総半島台風)関東中心38万4000件4700億円
2018年9月台風24号東京・神奈川・静岡など41万3000件3100億円
2018年7月豪雨(西日本豪雨)岡山・広島・愛媛など5万5000件2000億円
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