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伊藤忠がファミマにTOB、総額5809億円で完全子会社化

更新日時
  • ファミリーマート上場は廃止へ、グループ一体で迅速に意思決定
  • 完全子会社後に全農や農林中金などに一部株式を譲渡
A pedestrian walks past a closed FamilyMart Co. convenience store in the Asakusa district of Tokyo, Japan.

A pedestrian walks past a closed FamilyMart Co. convenience store in the Asakusa district of Tokyo, Japan.

Photographer: Soichiro Koriyama/Bloomberg
A pedestrian walks past a closed FamilyMart Co. convenience store in the Asakusa district of Tokyo, Japan.
Photographer: Soichiro Koriyama/Bloomberg

伊藤忠商事は8日、ファミリーマートに対して株式公開買い付け(TOB)を実施し、完全子会社化すると発表した。買い付け期間は9日から8月24日までとしており、1株2300円で買い付け総額5809億円となる。

  発表文書によると、ファミリーマートの上場を廃止してグループ一体で迅速に意思決定を進めるのが狙いだとしている。伊藤忠は現在ファミリーマート株の50.1%を保有している。完全子会社化した後、関係強化のため全国農業協同組合連合会と農林中央金庫に4.9%の株式を譲渡するほか、伊藤忠系のリース会社東京センチュリーも0.4%の株式を取得する。

  さらに、新型コロナウイルスの感染拡大によるテレワーク(在宅勤務)の定着や買い物方法の使い分けなど購買活動の変化は、影響が収まった後も完全に元に戻ることはなく、コンビニ業界がこれまで前提としていた出店立地や決済手段、商品構成に大幅な変更を迫りつつあると指摘。そのため、上場を廃止してグループ全体で経営資源やノウハウの共有を促進する必要があると強調した。

  ファミリーマートの沢田貴司社長は8日に都内で会見し、伊藤忠によるTOBについて国内コンビニ市場が飽和する中、「従来の規模感とスピードでは難しいとの共通認識がある」と指摘。非上場化することで「伊藤忠グループを使い倒して、課題を解決していく」と述べた。

  国内コンビニ2位の同社は5月末時点で国内1万6613店舗、海外に8032店舗を持つ。伊藤忠は1998年に初めてファミリーマート株を取得し、2018年には収益力強化や新規事業の創出を目指し、約1200億円を投じてTOBを実施し出資比率を41.45%から50.1%に引き上げ子会社化していた。

  伊藤忠は市況に左右されづらい非資源分野への投資を強化しており、商社の中でも生活消費分野への投資が占める割合は高い。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける中でも業績は底堅く、先月には時価総額で初めて三菱商事を上回り総合商社業界で首位となった。伊藤忠は4000億円とした今期(21年3月期)の純利益予想への影響はないとしている。

(伊藤忠の発表を加えて記事を更新します)
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