コンテンツにスキップする

今月の日銀会合、エコノミストの9割超が政策維持を予想-サーベイ

  • 次は追加緩和が過半数、一連の企業支援策は現時点で「十分」が大半
  • 20年度中心に成長率見通し下方修正の予想、「U字」回復想定が過半

日本銀行が14、15日に開く金融政策決定会合では、大半のエコノミストが現行の金融政策の据え置きが決まると予想している。会合後に公表する新たな「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、経済・物価見通しに大きな変化はないものの、2020年度を中心に実質経済成長率見通しが下方修正されるとの見方が多い。

  ブルームバーグが3-7日に実施した調査によると、エコノミストら46人のうち金融政策を据え置くとの予想は9割を超え、6月会合前の約7割からさらに拡大した。ただ、新型コロナウイルスの影響で先行き不透明感が強い状況が続く中、約6割が次の政策変更は「追加緩和」とみている。今回会合で追加緩和を想定しているのは2人だった。

調査の結果はここをクリックしてください

日銀の追加緩和予想が急低下

出所:ブルームバーグ

  政策維持を予想する理由について、多くのエコノミストは「現在は財政政策を含む政策効果を見極めるフェーズに移行しており、7-9月期に向けて景気が回復に向かう見通しの下、企業の資金繰り支援を最優先に、現状維持を続けると予想している」(岡三証券の愛宕伸康チーフエコノミスト)などと回答。これまでの日銀による一連の企業支援策について、現時点で「十分」との回答は9割を超えた。

  5月下旬に緊急事態宣言が解除され、徐々に経済活動が再開しているが、感染第2波への懸念も引き続き強い。そうした中で日銀の政策スタンスは「第2波など新型コロナの感染が再拡大、経済が再び停滞する事態が訪れるなら、躊躇(ちゅうちょ)せず緩和強化を行おう。その蓋然(がいぜん)性は小さくあるまい」(東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジスト)との見方が少なくない。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは日銀の次の対応について、新型コロナ対応金融支援特別オペの「2021年3月末の期限が近づいた段階でそれを単純延長か、場合によって拡充する」と指摘。マネックス証券の大槻奈那チーフアナリストも「現状の貸し出し支援の枠組みが銀行側からも受けがいいので、これが上限まで達したら枠を広げる可能性はある。また、影響が長引いた場合、1年とされている貸付期間の延長の可能性もありうる」とみる。

  感染拡大の影響の長期化や、第2波が深刻な影響を及ぼす場合の新たな手段を見込む声もある。クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは「米国に倣い、中小企業向け貸出債権の買い取り基金を創設し、それに日銀がバックファイナンスをつけるという対策案が浮上する可能性」を挙げる。UBS証券の足立正道チーフエコノミストも、ハードルは高いとしながら、「政府と組んで構造改革ファンドを立ち上げる(半ば明示的なマネタイゼーション)という可能性はゼロではない」と指摘している。

展望リポート

  新たな展望リポートでは、年後半にかけて景気が持ち直していくとのシナリオが維持される可能性が大きく、「先行きの景気・物価の方向感に大きな変更はないとみられる」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所の嶋中雄二所長)との見方が多数派だ。

  もっとも、海外経済を中心に前回の4月の同リポートでの想定から下振れているとの声もあり、「IMF(国際通貨基金)による経済見通しの下方修正や、東京都などで感染再拡大の兆しが見られることなどが懸念材料」(大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミスト)とし、20年度を中心に成長率の小幅下方修正も見込まれている。

  先行き景気回復の姿をアルファベットで示した場合、「U字」との回答が約6割を占め、より緩慢な「L字」が2割弱、最も回復スピードが速い「V字」は1割にとどまった。実質国内総生産(GDP)がコロナ前の水準を回復するタイミングについては、9割超が22年以降とみている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE