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米政府の中小企業支援、不正で清算歴のヘッジファンド経営者にも融資

  • ヘッジファンドはPPP申請不適格と政府は4月に指針
  • 米中小企業庁のデータ、複数のヘッジファンドが含まれる

新型コロナウイルスで打撃を受けた米中小企業の雇用を支援する「給与保証プログラム(PPP)」の利用者に、2年前にインサイダー取引の調査を受け、80億ドル(約8600億円)規模のヘッジファンドを清算したジェイコブ・ゴットリーブ氏が含まれている。米連邦政府が6日にデータを開示した。

  ゴットリーブ氏が2年前に新設したヘッジファンド運用会社、アルティウム・キャピタル・マネジメントはPPPから15万-35万ドルの融資を受けた。ニューヨークを本拠とする同ファンドが外部投資家から資金を預かっているかどうかは不明。

  雇用者500人以下という中小企業の定義に当てはまる金融企業は多いが、理髪店や生花店などと異なり、在宅勤務命令によって事業閉鎖を余儀なくされることはない。ロックダウン(都市封鎖)中も金融市場は閉鎖されず、ウォール街の企業は引き続き顧客からの手数料収入を得ていた。

  米政府は4月下旬、ヘッジファンドは主に投機的な投資に従事するため、PPPローン供与先として不適格だと指摘。プライベートエクイティ(PE)企業も同様に不適格とされたが、何らかの手法で適格認定を受けた企業は多い。ゴットリーブ氏はブルームバーグからのコメント要請に対し、他の人に回答させると述べたが、それきり応答がない。

米中小企業庁(SBA)のデータには以下のヘッジファンドが含まれる

  • マルカート・キャピタル・マネジメント
    • 昨年12月に段階的な閉鎖計画を発表
    • アルティウムとほぼ同額のローンを収受
    • 担当者のコメント得られず
  • カーティカ・マネジメント
    • 新興市場に特化し約12億ドルを運用(2019年末時点)
    • 少なくとも35万ドルのローンを収受
    • 広報担当は満額返済の意図を表明
  • メタキャピタル・マネジメント
    • 当初35万-100万ドルを収受したが、ヘッジファンドを不適格とするガイダンスを受けて、2週間後に金利分も合わせて返済済み-関係者
  • インフェレント・キャピタル
    • 15万-35万ドルを収受
    • 創業者のホゼ・マルケス氏はコメントを拒否
  • ノースコースト・アセット・マネジメント
    • 4月29日に申請した後、35万-100万ドルを収受
    • 最高経営責任者(CEO)のダニエル・J・クレイニンジャー氏はコメントの要請に応じず
  • アドベント・キャピタル・マネジメント
    • 政府データでは、4月15日に100万-200万ドルのローン申請が許可されている
    • アドベント広報担当は、ローンの可能性を模索したが申請手続きを完了しておらず、支援ローンは受けていないと表明
  • ワイス・マルティ・ストラテジー・アドバイザーズ
    • 200万-500万ドルのローンを収受-政府データ
    • 広報担当者は収受を否定。早い段階で検討はしたが、申請手続きは完了しないまま取り消したと説明
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