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香港国安法で全てが変わった-抗議だけで逮捕やDNA採取、家宅捜索

  • 中国はすでにウイグル族を記録するためDNAデータを利用
  • 逮捕者が犯罪に関与しているかどうかを立証するものだと警察は説明
Demonstrators Attend Medical Workers Resisting Tyranny Rally As Hong Kong Protests Set for 21st Weekend
Photographer: Kyle Lam/Bloomberg
Demonstrators Attend Medical Workers Resisting Tyranny Rally As Hong Kong Protests Set for 21st Weekend
Photographer: Kyle Lam/Bloomberg

香港市民は香港国家安全維持法(国安法)の施行からわずか1週間ほどで何もかもがすっかり変わったことを実感している。以前なら警官の注意も引かなかった抗議活動が逮捕やDNAサンプル採取、家宅捜索の対象となり得て、投獄される可能性すらある。

  香港警察は先週、抗議に参加していた15歳から67歳までの男6人、女4人の計10人を国家転覆もしくは国家分裂をあおるなどした容疑で国安法の下で初めて逮捕したと発表。参加者の弁護士によると、少なくとも6人が民主主義と香港独立を訴えるパンフレットやポスターを所持していたが、これらは以前のデモ中に配布されたものと同じで、これまでは逮捕のきっかけにはならなかった。

  1年余り抗議活動が続いてきた香港で、警察が逮捕者のDNAサンプルを採取したり逮捕者の自宅に踏み込んだりすることはめったになかったと弁護士のジャネット・パン氏は指摘。「不必要で侵害的かつ過剰なものだ」とし、「なぜDNAサンプル採取が必要なのか理解できない。どんな種類のデータべースを構築しようとしているのかは分からないが、北京の中央政府にデータを送るのかもしれない」と述べた。

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  パン氏によると、香港警察は10年以上にわたりDNAサンプルを集める権限を持つが、通常は暴行・麻薬事件に限って行使されていた。

  香港市民は、北京で非公開で立案された国安法がどのように適用されるか分からず戸惑うばかりだ。こうした抗議参加者のDNAサンプル採取は中国政府の力の誇示でもある。すでにウイグル族の記録を取るためにDNAデータを利用している中国は、人種プロファイリングと組織的な差別のための悪用だとの批判も招いている。

  職場や学校での報復を避けるため抗議参加者はこれまで当局に特定されないようマスクで顔を覆ったり、街頭の監視カメラを壊したりなどしてきた。DNAサンプル採取はこうした匿名性維持の取り組みが困難になることを意味している。DNAサンプル採取は逮捕者が犯罪に関与しているかどうかを立証するものだと警察は説明。警察の報道官は詳しいコメントは控えている。

原題:Arrested Under New Law, Hong Kong Protesters Get Swabbed for DNA(抜粋)

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