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新型コロナで一段と広がる世代間格差、強まる若年層の痛み

  • 豪州で若年層労働者の約25%が政府の主要賃金補助の対象外
  • 英国では学生除く18-24歳従業員の約3割が失職か一時帰休

約10年前の金融危機で傷を負った若い世代が、新型コロナウイルスによる経済的な痛みをもろに受けている。パンデミック(世界的大流行)で世代間格差が悪化しており、世界中で打ち出されている巨額の景気刺激策でさえ、若年層への打撃を和らげるには至ってない。

  その一例がオーストラリアだ。総額2600億豪ドル(約19兆5000億円)に上る経済対策にもかかわらず、15-24歳の失業率は16.1%に急上昇。対照的に26歳以上では約5.5%にとどまる。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のシニアエコノミスト、キャサリン・バーチ氏によると、若年層労働者の約25%は一時的な職に就いており、雇用期間が1年に満たないため政府の主要な賃金補助パッケージの対象外。他の全年齢層では、いわゆる非正規雇用の割合は6.5%だ。

Australia Passes Massive Stimulus Measures as Virus Spreads

失業手当などの申請を行う「センターリンク」に並ぶ人々(3月、豪シドニー)

写真家:Brendon Thorne / Bloombergerg

  これは何もオーストラリアに限った話ではない。

  パンデミックが長引くにつれ、10年前の金融危機で生じた世代間の断層が露呈しつつある。金融危機はミレニアル世代に大きな打撃を与え、Z世代(ピュー・リサーチによると1996年以降に生まれた層)には不安定な雇用環境と不十分な機会が残った。

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  ANZのバーチ氏は「若者が置き去りにされないようにするには、現在の政策に加えて、大規模で目標を絞った継続的な支援が必要だ」と指摘。「若年層の労働市場は今回のショックで世界金融危機以前より不安定になっている」と述べた。

  シンクタンクのレゾリューション・ファンデーションによると、英国では学生を除く18-24歳の従業員の3分の1が職を失ったり、一時帰休となっている。一方、35-44歳ではこの比率は15%未満だという。

Insecure Penalty

U.K. young workers in less-secure jobs are being harder hit than peers

Source: Resolution Foundation

Atypical work includes those on zero-hours, agency or temporary contracts

  

  格差問題を研究する豪州のシンクタンク、パーキャピタのリサーチエコノミスト、シャーリー・ジャクソン氏は「世代的な傷跡、つまり若者を労働市場の外に長期間放置することで、彼らが将来より良い仕事を得る可能性は低くなる」と指摘。「それは時限爆弾だ」と語った。

原題:
Generation Z Is Bearing the Economic Brunt of the Coronavirus(抜粋)

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