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【先週の新興国市場】株1カ月ぶり大幅上昇、米雇用統計で楽観広がる

  • ワクチン試験で前向きな結果-ファウチ氏はウイルス変異を警告
  • 米上院、香港巡る制裁法案を可決-中国当局者および取引銀行が対象

先週の新興国市場では、株式が週間ベースで1カ月ぶりの大幅高。米国の非農業部門雇用者数が市場予想以上に増加したことで、世界経済が持ち直しつつあるとの楽観が強まった。ただ、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大し続けていることや、香港国家安全法の施行を巡り米中の対立が再燃したことで上値は抑えられた。

  3日終了週の主なニュースは以下の通り。

ハイライト:

  • 6月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比480万人増、失業率は11.1%と、いずれも市場予想以上の改善を示した。ただレイオフ(一時帰休)の水準が依然高い上に、全米各地で新型コロナ感染が再拡大していることは懸念材料
    • 米連邦公開市場委員会(FOMC)が6月9、10日に開いた会合の議事要旨によると、当局者はイールドカーブ・コントロール(YCC)の利点について「多くの疑問」を抱いていた。一方で「フェデラルファンド(FF)金利の道筋に関してより明瞭なフォワードガイダンスの形で伝達し、資産購入に関して透明性を高めるべきだと、大部分の参加者が指摘した」という
    • パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は下院金融委員会の公聴会で、米経済が記録的な縮小から持ち直す中で、新型コロナ感染を抑制することが不可欠だと強調した
  • 香港が国家安全維持法の施行を受け、新たな現実に直面。金融センターとしての優位性に影響が及びかねない

    • 中国当局は同法について、国家安全を著しく脅かす極めて少数の人物が対象だと説明。常に迫る危険を示す故事「ダモクレスの剣」を引き合いに出し、反対勢力をけん制した
    • 米上院は香港の自治侵害に関わった中国当局者と取引を行う銀行に制裁を科す法案を全会一致で可決。下院では既に通過しており、トランプ大統領が署名すれば正式に成立する。法案は国務省に対し、香港に適用されている「一国二制度」モデルを弱体化させようとする当局者に関する報告書を議会に毎年提出するよう義務付ける
    • 米連邦通信委員会(FCC)は、中国の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)を米国の国家安全保障上の脅威に指定した。米国市場から両社を排除しようとする動き
  • 米ファイザーと独バイオNテックが共同開発する新型コロナウイルスのワクチン候補は、第1相臨床試験で安全性が示され、患者に抗体が作られることが確認された
    • 米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は、新型コロナウイルスが変異の兆候を見せており、感染拡大がより容易になっている可能性があると指摘した
  • ロシアで行われた憲法改正の是非を問う全国投票で、改憲支持が圧倒的多数となった。大統領府は「プーチン大統領が信任投票に勝利した」と宣言。この結果、プーチン氏は2036年まで政権を維持することが可能になる
資産別指数(ニューヨーク時間3日午後4時現在)週間6月
MSCI新興市場指数+3.4%+6.96%
MSCI新興国通貨指数+0.4%+1.17%
ブルームバーグ・バークレイズ新興市場の自国通貨建て指数 (2日まで)+0.6%+0.81%

アジア:

  • 中国国家統計局が発表した6月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.9。5月の50.6から上昇した。新型コロナ感染拡大による落ち込みからの段階的な持ち直しが続いていることが示唆された。ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は50.5だった
    • 中国人民銀行(中央銀行)は景気回復の兆しを背景に金融緩和ペースを減速しつつあり、流動性逼迫(ひっぱく)や国債利回り上昇を懸念する投資家を失望させている
  • 韓国の6月の輸出は減少ペースが鈍化した。ロックダウン(都市封鎖)解除を背景に、国外の需要低迷が最悪の状況から脱しつつある兆候が示された。6月は前年同月比11%減少。4月と5月はそれぞれ20%を上回る落ち込みを示していた
  • インド政府はバイトダンス(字節跳動)の「ティックトック」など59の中国製アプリを禁止した。対中関係が悪化する中で、自国の主権と安全保障、公の秩序が脅かされる恐れがあることを理由に挙げた

EMEA:

  • ウクライナは予定していた17億5000万ドル(約1880億円)相当のユーロ債入札を中止した。政治的な圧力が続いているとして同国の中央銀行総裁が突然、辞任を発表したことが影響した
  • ポーランド大統領選は、現職のドゥダ大統領が1回目の投票で再選を決められず、7月12日の決選投票に進むことになった。欧州連合(EU)の民主的・多文化的な価値観と対立し、強権的と批判される右派与党「法と正義」の路線継続を支持するかどうか、有権者の判断が示される

中南米:

  • メキシコの新型コロナ感染症による死者数が7月1日、2万8510人に達し、スペインを抜き世界で6番目の多さとなった。同国では新型コロナ検査の陽性率が50%に達しており、報告されているデータよりも感染がはるかに拡大している可能性を示唆している
  • メキシコの航空会社アエロメヒコは証券取引所への届け出で、米連邦破産法11条に基づく会社更生手続きを申請したと明らかにした

原題:EM Review: Rally Resumed as U.S. Jobs Data Outweigh Virus Fears(抜粋)

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