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ソフバンクG株、ウィーワーク・コロナ前の水準に-1年ぶり高値

更新日時
  • 前期決算で巨額損失、「これ以上悪くなる可能性ない」とアナリスト
  • 財務統括IR部長就任の上利氏、「投資家との対話を一層深めたい」

ソフトバンクグループ株が1年ぶりの高値を付けた。相次ぐ自社株買いの実施で投資家の下値不安が後退しており、最大4兆5000億円の資産売却計画も順調に進む。関連利益を計上する今期(2021年3月期)業績の回復や財務改善への期待感が出ている。

  3日の株価は前日比2.6%高の5778円と4日続伸し、2月に付けた終値ベースの年初来高値(5751円)を更新。米ウィーワークの経営問題が表面化する前の昨年7月以来の水準に戻した。

  岩井コスモ証券の川崎朝映アナリストは、自社株買いの効果に加え、「社債の買い入れなどを進め、財務体質の改善を図っている点も評価されている」と分析。新型コロナウイルスの世界経済への影響が春先の第1波に比べればやや落ち着いた中、業績面でも「前期末に兆円単位の評価損を出したため、これ以上悪くなる可能性はない」との見方が出ているという。

  ただし、株価が今後も上昇し続けるには「ビジョン・ファンド第2弾など株主価値を高める新しい要因が必要になってくる」との認識も示した。

  1日付でソフトバンクGの財務統括IR部長に就任した上利陽太郎氏はブルームバーグの取材に対し、「投資家との対話を一層深めていきたい」とコメントした。

2019年以降の株価推移

  新型コロナウイルスの感染拡大で世界経済が悪化する中、ソフトバンクGの前期(20年3月期)決算は営業赤字が過去最大の1兆3646億円となった。ビジョン・ファンドなど投資事業への懸念が強まり、株価は3月に約4年ぶりの安値を付けた。

  株価反転のきっかけとなったのは総額2兆5000億円の自社株買いだ。4兆5000億円の資産売却と資金化計画も公表し、中国のアリババ・グループ・ホールディングや国内通信子会社のソフトバンク、米携帯事業会社のTモバイルUSの一部保有株が対象となった。孫正義社長は6月の株主総会で、資産売却計画の8割を達成し、残りの2割にもめどがついたとの認識を示した。

  シティグループ証券は1日、投資判断「買い」を継続し、目標株価を従来の7100円から7200円に引き上げた。4-6月期(第1四半期)に資産売却益を計上することなどを踏まえ、同証による今期営業利益予想を8270億円から1兆4300億円へ見直したため。鶴尾充伸アナリストは、「積極的な自社株買いとバランスシート健全化の取り組みを考えると、株価の上昇余地はまだ十分にある」とみている。

自社株買いと資産売却計画の推移
  • 3月13日 5000億円上限の自社株買い発表
  •   23日 4.5兆円の資産売却発表(2兆円は自社株買い充当)
  • 4月2日 米スプリントとTモバイルUSの合併完了
  • 5月18日 中国アリババ株の先渡し売買契約発表、調達額約1.23兆円
  •   21日 ソフトバンク株の5%売却発表、調達額約3100億円
  • 6月23日 Tモバイル株の3分の2売却発表、調達額約2.14兆円
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孫社長

(株価情報を更新し、ソフトバンクグループのコメントを追記します)
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