インド、ティックトックなど59の中国アプリ禁止-安全保障懸念
Rahul Satija、Saritha Rai-
アリババ「UCウェブ」や百度「地図」、テンセント「微信」も対象
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インド人利用者のデータを国外サーバーに許可なく伝送・保管と指摘

In this photo illustration, the social media application logo, TikTok is displayed on the screen of an iPhone on April 13, 2020.
Photographer: OLIVIER DOULIERY/AFP
In this photo illustration, the social media application logo, TikTok is displayed on the screen of an iPhone on April 13, 2020.
インド政府はバイトダンス(字節跳動)の「ティックトック」など59の中国製アプリを禁止した。対中関係が悪化する中で、自国の主権と安全保障、公の秩序が脅かされる恐れがあることを理由に挙げた。
禁止対象となったアプリには、アリババ・グループ・ホールディングの「UCウェブ」や百度(バイドゥ) の「百度地図」、テンセント・ホールディングス(騰訊)の「微信(ウィーチャット)」などが含まれる。中国との係争地で6月半ばに発生した衝突で、インド軍兵士20人が死亡している。
インド電子・情報技術省は29日の声明で、インド人ユーザーのデータを国外にあるサーバーに許可なく伝送・保管し、「インドの国家安全保障と防衛に敵対的なエレメントでマイニングおよびプロファイリング」が行われる状況は緊急対応を要する深刻で差し迫った懸案だと指摘した。
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こうしたアプリはすでにユーザー端末にダウンロード済みで、政府がどのように禁止できるかはまだ不明。アプリのサーバーを遮断するとともに、新たなダウンロードを阻止することが必要となる可能性がある。
ソーシャルメディア上では禁止措置への支持が集まり始めた。金融サービスを展開するコングロマリット、IIFLグループのニルマル・ジェイン会長は「中国のサイバー支配から抜け出すため、幾つか難しい決断を下すべき時だ」とツイートした。
短編動画投稿アプリのティックトックはインドで2億人余りが利用しており、使用禁止はバイトダンスに特に打撃となる。同社は昨年、インドで一時的な禁止措置に直面。欧州でも詳細な検証作業が進んでいるほか、米政策当局者の間でも国家安全保障への影響を巡って疑念が高まっている。
原題:TikTok Among 59 Chinese Apps India Bans on Security Fears (1)