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上昇銘柄わずか2割強の日経平均、一極集中が示唆する微妙な均衡

  • コロナ急落前への接近では中外薬やFリテイリなど少数が上昇けん引
  • 一段高のカギはバリュー銘柄握る、日経平均のレンジ相場は長期化も

新型コロナウイルスによる4カ月前の急落の後、日経平均は足元で下げの大半を埋めた。この間の構成銘柄の騰落から浮かび上がるのは、「勝ち組2割強・負け組8割弱」という微妙な均衡だ。

  29日終値の日経平均は2万1995円と、新型コロナで株価の下げが加速し始めた2月27日時点とほぼ同水準にあたる。コロナ急落前の2月21日から3月19日安値を付けるまでの下げ幅の8割を取り戻した格好。ただ、当時と現在の指数構成銘柄を比較すると、上昇は54銘柄(24%)に対し、下落は171銘柄(76%)に達する。

  この間の指数上昇の寄与度上位は中外製薬ファーストリテイリングエムスリー東京エレクトロン第一三共テルモアドバンテストなどで、医薬品や医療関連、半導体関連が多い。一方、下落寄与上位は京セラファミリーマートリクルートホールディングス、スズキ、キヤノンという顔ぶれで、製造業中心に多岐に渡る。

日経平均の上昇・下落寄与度一覧

日経平均の上昇・下落寄与度一覧

  いちよしアセットマネジメントの秋野充成取締役は値上がりした銘柄群について、「健康志向の高まりや在宅勤務で恩恵を受ける銘柄など、アフターコロナを見据えた銘柄選別が進んでいる」と語る。低金利が追い風となるグロース銘柄の優位に対し、景気連動性の強いバリュー銘柄の劣位という構図は米国と変わらないともみる。日本株はグロース銘柄が相対的に少なく、一極集中しやすい。

  「日経平均が一時2万3000円を回復するなど、株価はかなり戻した感がある」と言うのは、BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパンの王子田賢史日本株式運用部長。半面、陸運や海運、不動産などコロナの影響が強いとみられる業種は戻りが鈍く、投資対象が二極化する現状を「少ない銘柄群が相場をけん引している。グロースの偏り過ぎは怖い」とみる。

上値やや重く

  新型コロナの沈静化に成功しバリュー銘柄が指数を押し上げれば強気相場が継続する一方、そうならなければリカバリーに貢献した一握りの銘柄群がいずれ息切れしかねない。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジストは、「センチメント指数は先行きに期待を持っているが、米新規失業保険申請件数などは非常に改善ピッチが遅い」と懸念する。感染第2波のリスクは具体的な数字に出ており、「第2波と金融政策の綱引き状態から、夏場はレンジの動きに終始する」と予想する。

  UBSウェルス・マネジメントの日本株リサーチヘッド、居林通氏は「人々の期待値が楽観的過ぎる。上値は限定的」と現状を分析する。「株価がパンデミック前のレベルを超えるには何かポジティブなことが起こらなければならないが、それはなんだろうか」。同氏は3つのリスクとして、11月の米国大統領選挙、コロナ感染第2波、米中貿易摩擦を挙げる。

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