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危機でも動かなかったバフェット氏、バークシャーの弱点浮き彫りに

  • 魅力的な投資を実現させる企業から、巨大企業連合に移行か
  • 投資環境厳しく、過去の再現は難しいとアナリスト

米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイは傘下に鉄道会社BNSF、自動車保険ガイコ、アイスクリームチェーンのデイリークイーン、パーティー用品販売のオリエンタル・トレーディングなどを抱え、さまざまな事業の寄り合い所帯だ。ポートフォリオにはアップルやウェルズ・ファーゴなど上場企業への大規模な投資もあり、一企業と言うよりは投資信託に似ている。

  1965年から昨年末まででバークシャーの年率換算リターンは20.3%に上り、米S&P500種株価指数の10%を大きく上回る。いまや時価総額は4410億ドル(約47兆1600億円)に達し、S&P500の時価総額上位6社のうちテクノロジー大企業でないのは同社だけだ。

  バークシャーの規模はバフェット氏の功績だが、問題もある。投資家の関心を引き続けるには、大型の買収や自社株買いが必要だということだ。バフェット氏は最近、大型買収を仕留めることができず、過去5年間の同社株価のパフォーマンスはS&P500を下回っている。

  今年3月に相場が急落し、バリュエーション(株価評価)が低下した際にもバフェット氏はほとんど動かず、バークシャー株の投資家は疑問を感じ始めている。BNSF買収やゴールドマン・サックス・クループの優先株投資など、バフェット氏が過去にまとめ上げたような独特で複雑な取引がもはや見られないなら、時代遅れの企業がぎっしり詰まった巨大企業連合に投資しているだけなのではないのか、という疑問だ。

Berkshire Hathaway’s Operating Businesses

Data: Berkshire Hathaway. As of Dec. 31

*Includes Berkshire Hathaway Energy, which is 91.1% owned by Berkshire

  企業連合への移行は「悪いことではないが、投資家にとっては異なる価値の提案になる」と、キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズ(KBW)のアナリスト、メイヤー・シールズ氏は指摘。「確かに過去には比類なきリターンを上げてきた企業連合だが、それを再現させることははるかに難しい。素晴らしい事業も多く、おそらくは並以下のものもいくつかあるが、やはり素晴らしい事業も多い」と続けた。

  さほどの興奮はないが、利点はある。3月末の手元資金は過去最高の1370億ドルに上り、バフェット氏はバークシャーの強固な財務健全性を維持すると言明した。バークシャーに投資するガードナー・ルッソ・アンド・ガードナー のトム・ルッソ氏は「バフェット氏が投資家に提供し、これまで提供してきたのは安心だ。バークシャーに資金を入れておけば、正しい使い方をしてくれる」と評価した。

  投資環境は厳しい。金利と債券利回りが低いため投資家はリターンを求めて株式に押し寄せ、株価のバリュエーションは高い。魅力的な投資先の開拓に、バフェット氏はプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社などとも張り合わなければならなくなった。バークシャーの長年の株主でありながら昨年撤退したウェッジウッド・パートナーズのデービッド・ロルフ氏は、バーゲンハンターには厳しい環境だと指摘した。

  バークシャーはコメントの要請に応じなかったが、バフェット氏は規模が足かせとなって業績に影響が出ていることを認識している。2019年の年次総会ではそれを認め、かなり前からその危惧を表明していた。

原題:
Buffett Missed Out on Crisis, Revealing Berkshire’s Big Weakness(抜粋)

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