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東京を「国際金融都市」に、海外人材受け入れ促進を-自民党成長戦略

  • アジアの地政学的状況踏まえ、日本は安心・安全な拠点として強み
  • 金融センターは人材集積が不可欠、外国人の受け入れ推進-安倍首相

自民党は「国際金融都市TOKYO」の実現を目指すことなどを盛り込んだ成長戦略をまとめた。金融人材の受け入れ促進や、サポート体制の強化などを官民一体で強力に進めるべきと訴えた。

  中国政府が国家安全法を制定する方針を示したことで、香港の金融センターとしての地位を支えている中国から独立した法制度と「一国二制度」が脅かされつつあり、人材や資本の流出も懸念されている。

  安倍晋三首相は11日の参院予算委員会で、「香港を含め、専門的、技術的分野の外国人材の受け入れを積極的に推進している」とした上で、東京が金融センターとなるためには「人材が集まることが不可欠」との考えを明らかにした。

  自民党が配布した成長戦略案では、香港には言及していないが、「現下のアジアにおける地政学的状況」も踏まえ、「確固たる民主主義・法治主義に支えられた安心・安全な事業拠点としてのわが国の強みを活かす観点」から、東京を「世界・アジアの国際金融ハブ」とする目標を掲げた。

  具体的には、資産運用や金融などの海外プロフェッショナル人材の受け入れ促進とともに、サポートスタッフを含めた在留資格取得の円滑化を進めるほか、アメリカンスクールの誘致など家族の教育や医療の環境整備にも取り組むとした。

  海外企業の拠点設置・開設のサポート体制も抜本的に強化し、新規参入の際に必要な金融行政サービスの英語対応を進め、投資運用業登録などを迅速に進める。新規に開業した独立系新興資産運用業者の資金繰り対策や、海外資産運用業者などの緊急的な受け入れを可能とする環境整備も行う。資産運用業者の声を踏まえ、市場の効率化に向けた業界慣行の見直しを進める考えも示した。

  海外の金融人材受け入れ強化の一方、既存の国内金融業の再活性化も盛り込んだ。銀行グループの他業種への参入規制の緩和に加え、海外市場で同業他社との競争力を確保するため、銀行と証券会社の間での情報交換を制限するファイアーウォール規制の対象から外国法人顧客に関する情報を除外することなどを検討すべきだとした。

自民党成長戦略のその他の内容
  • 第1、2次補正予算の迅速な執行に全力をあげつつ、 財政・金融両面から万全な対応を実施
  • 経済社会全体のDX(デジタルトランスフォーメーション) を加速する必要があり、「政府DX推進委員会(仮称)」を設置
  • 強靱(きょうじん)なサプライチェーンの構築のための冗長化(地方回帰)、リモートワークによる地方創生の推進
  • マスク・防護服など医療現場に欠かせない製品や、付加価値の高い部素材の一国への過度な依存リスクを解消し、生産拠点などの国内整備を支援し、安定的・多元的な供給体制を構築
  • リブラ構想やデジタル人民元の発行が近いことを踏まえ、米国と連携しつつ、 中央銀行デジタル通貨(CBDC)について、技術的な検証を狙いとした実証実験などを行うべきだ
  • セキュリティークリアランスの制度やコロナ対策で傷を負った日本企業に対する買収防衛対策などについて、深度と速度を強化し検討
  • ポストコロナ時代に向けた未来への投資に資金を呼び込む、環境・社会・ガバナンス(ESG)金融を推進

  自民党は成長戦略を政府に提言し、政府が7月に決める経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に反映させる。

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