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日産が新型SUV「ローグ」発売へ、稼ぎ頭だった米国立て直しに期待

  • 業績不振の日産再建は米国市場で収益性を回復できるかがポイントに
  • トヨタのRAV4、ホンダのCR-Vなどとの厳しい競争に挑む

業績低迷に苦しむ日産自動車復活のカギを握るスポーツタイプ多目的車(SUV)「ローグ」(日本名・エクストレイル)の新型モデルが近く米国市場に投入される。

Day Two Of The 89th Geneva International Motor Show

日産のロゴ

Photographer: Chris J. Ratcliffe/Bloomberg

  3代目となるローグは7年前に発売された前モデルの後継車として、クロスオーバーSUVという米国市場で最も競争の激しいセグメントに挑む。日産はかつて同社の稼ぎ頭だった米国において再び買い手を引きつけ、販売を活性化する起爆剤を必要としているが、競合車種も増えており競争に勝ち抜けるかは不透明だ。

  日産によると、今秋北米に投入される新型ローグは馬力が旧型比で約10%増の170馬力となる一方、燃費も若干改善。3列シートやハイブリッド車のモデルはなく、2列シートと4気筒ガソリンエンジンのみのラインアップとする。10個のエアバッグシステムや後退時自動ブレーキなどの安全装備を同価格帯の他社の車より多く搭載する予定。

  日産の北米部門で商品計画を担当するジャレド・ハスラム氏は「われわれが注力したのはこの車を手が届きやすい価格帯に維持することだった」と狙いを話した。

  日産のアシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)はメールで、ローグは日産が今後1年間で米国市場に投入する5つの新車の第1弾となるとした。

米国での販売台数

他車種を上回る売れ筋モデル「ローグ」

Source: Nissan North America

Note: Rogue sales for 2017, 2018 and 2019 include Sport model

  日産の米国での売上高は昨年9.9%減少し、2020年の第1四半期には30%減少した。その売り上げ不振の中で、ローグの昨年の米国販売台数は約35万台と全体の約4分の1を超える最大の売れ筋モデルだ。ローグに次ぐ人気を誇る中型セダン「アルティマ」やコンパクト車「セントラ」を大きく引き離して稼ぎ頭となっている。

特に重要な車

  2年足らずの間に3人のトップを失った日産の北米事業での混乱は、18年11月のカルロス・ゴーン元会長の逮捕後に同社が直面する問題の根深さを示している。日産は先月、前期(20年3月期)に約20年ぶりの規模の巨額赤字となったことを明らかにし、事業改革の一環として24年までに世界の生産能力を20%削減する方針を掲げた。

  ローグの競合となるのはトヨタ自動車の「RAV4」やホンダの「CR-V」などだ。ローグは「ジューク」など生産終了となった日産の他のSUVよりも長生きしているが、アナリストは競合相手の参入によりSUVはもはや頼りになるドル箱ではない可能性があると指摘する。

  ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達夫アナリストは、ローグは日産にとって稼ぎ頭として「特に重要な車」と語った。しかし、米国や韓国のメーカーもセダンから移行し、「戦場は中型SUV市場に移ってきている」と、市場の変化で競争環境が激化していると指摘した。

  初代ローグが発売された07年以来、クロスオーバー車のモデル数は2倍以上になった。バンク・オブ・アメリカのデータによると、同分野では今年の発売が約100モデルなのに対し24年までに150モデルに増加し、新型モデルの発売数では最も急成長する市場の一つになると予想されている。

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