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日銀会合注目点:コロナ対応の効果や拡充の是非、収束後の経済展開

  • 現行の金利水準やイールドカーブを巡る黒田総裁発言にも市場は注目
  • 金融市場の大きな混乱なければ、金融政策運営は現状維持の公算大

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日本銀行は15、16日に開く金融政策決定会合で、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に対応して政府とも連携して打ち出してきた一連の政策効果や、先行きの経済の展開とそれを踏まえた金融政策運営について議論する見通し。金融市場の大きな混乱がなければ、金融政策は現状維持を決める公算が大きい。

  コロナの影響による経済の落ち込みや金融市場の混乱に対応するため、日銀は3月以降、5月に開いた8年半ぶりの臨時の金融政策決定会合を含めて、企業の資金繰り支援策や金融市場の安定化措置を相次いで打ち出してきた。

  事情に詳しい関係者によると、現在は一連の措置を着実に実行し、効果を見極める局面との見方が日銀内には多い。もっとも、コロナの影響の先行き不確実性が強い中、今後想定される企業の資本毀損(きそん)や支払い能力の低下に対応する方策を検討しておくべきだと指摘も一部にある。

  11日の米国市場で感染拡大の第2波への警戒感などから株価が急落するなど、金融市場には足元で再び不安定化する兆しもやや見られる。先行きも含めて、さらなる企業支援策や市場安定化策が必要となるのか、会合での議論の行方が注目される。

  12日に成立した2020年度第2次補正予算には、企業への実質無利子・無担保融資の拡充が盛り込まれた。臨時会合で決めた新たな資金繰り支援策の貸し付け対象額も拡大するが、関係者によると、決定会合での議決が必要な追加措置には位置付けない方向だ。

  日本など先進国では感染拡大が収束方向にあり、経済活動が徐々に再開されている。関係者によると、日銀内では、日本経済は4-6月期がボトムになる可能性が大きいとの見方もある。一方、第2波への警戒感が根強いことに加え、新興国では感染拡大が続いており、今後の世界・日本経済の持ち直しの時期やペースについて、会合では活発な議論が展開されそうだ。

  黒田東彦総裁は、11日の参院予算委員会で、コロナ感染拡大の影響は不確実性が大きいとし、政策対応は「あらゆる手段を柔軟に考えていくことが必要だ」との見解を示している。

追加緩和予想

出所:ブルームバーグ

  ブルームバーグがエコノミスト47人を対象に4-8日に実施した調査では、金融政策を据え置くとの予想が72%に達し、4月会合前の41%から大きく増加した。ただ、次の政策変更は68%が「追加緩和」とみており、世界的な感染拡大が続く中で、引き続き多数派を占めている。

ブルームバーグ・エコノミクス アジア・エコノミスト・チーム
「円が対ドルで比較的居心地の良い水準で推移していることも、日銀に対する金融緩和圧力を和らげている。日米の金利差はドル安を抑制する公算が大きい」
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  一方、市場関係者の間では、上昇傾向にある超長期金利を含めたイールドカーブに関する日銀の見解への関心が高い。黒田総裁が会合後に行う会見で、現行の金利水準やイールドカーブについてどのように言及するかも注目点となる。

  コロナ感染拡大の収束後の景気回復期待や、各国が打ち出した積極的な財政出動などを背景に、超長期ゾーンを中心に長めの期間の金利に上昇圧力がかかりやすい環境となっている。

  関係者によると、日銀内では、現在のイールドカーブを問題視する声は少なく、引き続き過度なフラット(平たん)化は望ましくないとの見解にも変化はない。一方で、コロナ対応が優先される中で、イールドカーブの低位安定が重要との声もある。

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