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Photographer: SeongJoon Cho/Bloomberg
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OECD、20年の世界経済は6%縮小と予想-分断化を警告

更新日時
  • コロナ感染拡大の第2波があれば、マイナス7.6%成長の可能性
  • 各国政府には弱者支援で「微妙なかじ取り」が必要
General Scenes Of Singapore As Housing Slump Continues
Photographer: SeongJoon Cho/Bloomberg

新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済を分断する中で、企業や弱者が受ける影響に対して政府は異例の行動を取る必要がある。経済協力開発機構(OECD)がこのように警告した。

  OECDは四半期経済見通しで、世界経済が今年6%のマイナス成長に陥るとの厳しい予想を示した。これは新型コロナ流行の収束が続くシナリオに基づいているものの、それでも世界銀行が今週示した予想よりもさらに悲観的だ。第2波が顕在化する場合は7.6%の落ち込みが予想されている。

Pandemic Fallout

European economies are likely to be among the worst hit this year

Source: Organization for Economic Cooperation and Development

  感染拡大阻止のための制限や封鎖措置を踏まえると、世界経済についての厳しい見通しは想定内だが、OECDは新型コロナ危機で深まる世界経済の分断化に焦点を絞った。感染拡大の深刻さや医療制度、政府の財政上の対応能力の違いによって、各国経済への影響は異なってくる。貿易の制限も増大。ロックダウン(都市封鎖)は国内の格差拡大も招いた。若年層とスキルのない労働者が大きな影響を受けている。

  航空業界などのセクターが長期的な影響に直面する中、OECDは企業破綻増加と失業長期化の公算が大きいことについても警告。そうした時期を乗り切り企業や個人を守る支援を政府が柔軟に行う必要性を強調した。

  OECDのチーフエコノミスト、ローレンス・ブーン氏は「2021年末までに失われる所得は戦時を除く過去100年のいかなるリセッション(景気後退)の時期よりも大きくなり、重大かつ長期にわたって続く結果をもたらすだろう」とし、「パンデミックは統合から分断へのシフトを加速させた」と指摘した。

  OECDは感染の第2波がないシナリオで、米経済が今年7.3%縮小すると予測。ユーロ圏は9.1%、英国は11.5%それぞれ縮小すると見積もった。

  日本については20年がマイナス6%成長、21年がプラス2.1%と予想されている。

  企業の倒産を防ぎ雇用を守るための財政支出で各国政府は前例のない負担を強いられる。OECDは政策当局には異例かつ高コストのセーフティーネット提供を続けつつ、そうした支援活動の長期化を回避していく「微妙なかじ取り」が必要だと論じた。

  「このような不透明性は前代未聞だ。今回の危機でこれが最も難しい点だ。状況は劇的に変わる可能性があるため、週ごとに展開を追う必要がある」とブーン氏は指摘した。

Firm Support

Governments are attempting to keep companies viable

Source: Organization for Economic Cooperation and Development

Note: Shows official estimates, when available, of indirect financial help included in emergency packages announced by governments in response to the Covid-19 crisis, as of June 4. In many cases, estimates are highly uncertain due to an unknown duration of the crisis and take-up of various programs by the private sector, and may not be comparable across countries

  各国政府は最も弱い立場に置かれた弱者に特に注意を払う必要があるとOECDは論じた。在宅勤務が可能な労働者がいる一方、失業と健康リスクにさらされるセクターの労働者には若年層と低所得層が大きな割合を占めると指摘した。

  「あらゆる国で、ロックダウンは労働者間の格差を増幅させた」とブーン氏は述べた。

Vulnerable Workers

Share of youth and adults employed in the hardest-hit sectors*

Source: Organization for Economic Cooperation and Development

Note: *Europe and U.S.: wholesale & retail trade, accommodation & food service activities and arts, entertainment & recreation; Canada: retail & wholesale trade, information culture & recreation and accommodation & food services; Mexico: restaurants & accommodation services and commerce

  異例に高い公的債務と中央銀行のバランスシートの劇的な拡大の中でも支援を尚早に引き揚げることがないよう留意が必要だとOECDは指摘。感染拡大第2波の場合は、金融政策の余力が限られる中で財政当局が追加支援を提供する必要があるだろうと論じた。

 「金融危機の過ちを繰り返すことがないようにし、同時に成長と雇用拡大の勢いが戻るまで移行期を支えることが非常に重要だ」とブーン氏は説明した。

原題:Virus Splinters Global Economy, Exposing Inequality Faultlines、OECD Forecasts Japan GDP to Grow 2.1% in 2021, -6% in 2020(抜粋)

(第3段落以降にコメントなどを追加します)
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