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ボーイング、ドリームライナーの5月出荷ゼロ-株価下落

更新日時
  • ドリームライナーの月間出荷台数がゼロとなったのは2013年以来
  • 急上昇していたボーイング株は9日の米株式市場では6%下落

米ボーイングは、5月の787ドリームライナーの販売もしくは引き渡しがゼロだった。同社の株価は旅行需要回復への期待感から急上昇していたが、事業環境の実体は新型コロナウイルス危機に依然影響されていることが浮き彫りとなった。

  ボーイングが5月に出荷した民間ジェット機はわずか4機と、前年同月の30機から急減。ブルームバーグ・インテリジェンスによると、ドリームライナーの月間出荷台数がゼロとなったのは、2013年に2件のバッテリー発火を起こして監督当局が運航を一時停止して以来となる。

Bad Dreams

Boeing logged no deliveries of its marquee wide-body jet last month

Source: Boeing data compiled by Bloomberg Intelligence

  こうした月間実績は、旅行重要の急減や737MAXの長引く運航停止といったボーイングに吹く逆風をあらためて思い起こさせるものだ。デービッド・カルフーン最高経営責任者(CEO)は航空産業の完全な回復には数年先かかるとの警告を繰り返し発しているが、最悪期が過ぎたと考える投資家やアナリストにとって同社の株式は魅力的な投資先となっていた。しかし、航空業界の前途は厳しい。

  国際航空運送協会(IATA)のアレクサンドル・ドジュニアック事務局長は、ボーイングの5月実績が発表される前に出した9日のリポートで「財務的に2020年は航空史上最悪の年になるだろう」と指摘した。IATAは世界の航空会社の損失は今年が840億ドル(約9兆1000億円)、来年は約160億ドルになると予想。「一段と打撃の大きい新型コロナウイルス感染症の第二波がないという前提であれば、輸送崩壊の最悪期は脱した公算が大きい」とした。

  ボーイングにとって数少ない明るい分野が貨物機だ。5月は受注分の全部と出荷した民間ジェット機4機のうち3機が貨物機だった。

  9日の米株式市場でボーイング株は6%下落。8日終値では5月1日からの上昇率が73%に達していた。

原題:
Boeing’s 787 Delivery Drought Shows Crisis Behind Rally (1)(抜粋)

(3段落目以降にIATAの見通しなどを追加して更新します)
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