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Photographer: Qilai Shen/Bloomberg
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ファーウェイに迫る脅威-トランプ政権の規制強化で半導体調達に懸念

  • ファーウェイは半導体生産で難題-委託先も米装置なしでは製造困難
  • 一部の自社設計半導体在庫、来年早い時期までに底つく公算-関係者
A Huawei multiservice integrated carrier router, bottom, and other telecommunications equipment is displayed at an exhibition hall at the company's headquarters in Shenzhen.
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

中国のテクノロジー台頭をけん制する取り組みに着手して以降、トランプ米政権は通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)に対して集中砲火を浴びせてきた。先月発表した新たな規制は中国を代表するテクノロジー企業である同社をむしばむ恐れがある。

  米商務省が同国の技術を用いて製造した半導体の販売を禁じると5月に発表したことを受け、中国南部にあるファーウェイの施設は緊急事態の様相となっている。人工知能(AI)からモバイルサービスに至る分野で必要とされる半導体の製造装置や同社の野心の核心を突くものだからだ。

  通信機器に欠かせない一部の自社設計半導体の在庫は、2021年の早い時期までに底をつくだろうと事情に詳しい複数の関係者は話す。

  米国による新たな規制発表後の数日間にファーウェイ幹部は会合を重ねたと、協議に参加した1人は振り返る。だが、非公開情報だとして匿名を条件に語った関係者によると、同社は現時点で解決策を見つけることができていない。韓国サムスン電子や台湾の聯発科技(メディアテック)など第3者から在庫のある汎用モバイル半導体を購入することはできるが、十分な数量を確保するのは不可能なことに加え、基本製品の性能について大きな妥協を余儀なくされる可能性もある。

ハイシリコンに照準

  ファーウェイ幹部が懸念しているのは、1年前に「エンティティーリスト」に加えた後も同社の急成長ぶりを抑え込むことができていなかった米政府がとうとう同社の野心を妨げる方法に行き着いたという点だ。米国による今回の措置は16年前に設立され、AIの推論処理用半導体など最先端分野の研究を進めるファーウェイ傘下の海思半導体(ハイシリコン)に照準を定めている。

  半導体受託製造を手掛ける台湾積体電路製造(TSMC)や中国の中芯国際集成電路製造(SMIC)はいずれもチップセットの組み立てでアプライド・マテリアルズなど米国メーカーの製造装置を必要としている。

  米政府が本気で供給源を断とうとするなら、ファーウェイは自社で設計した先端半導体を世に出すことができなくなり、自前のモバイル機器用半導体や次世代通信規格の第5世代(5G)通信基地局向け半導体を製造する取り組みも妨げられる。

  フォレスター・リサーチのプリンシパルアナリスト、チャーリー・ダイ氏は「ハイシリコンは自主開発や現地勢との協力を通じて代替を見つけるまで技術革新をこれ以上続けることはできないだろう。それには何年かを要する」と指摘。「われわれの推計ではファーウェイの高性能半導体の在庫(同社の上位スマートフォン用ベースバンドチップやCPUを含む)が続くのは12カ月から最大で18カ月だろう」と述べた。

次善の策

  長期的には一貫した社内の半導体供給が実現できなければ、世界のテクノロジー覇権で米国に挑戦するという中国の壮大な野望もくじかれる。短期的には中国政府の中長期の戦略ビジョンで重要な部分を占める5G展開が抑制される恐れがある。

  ファーウェイ社内では幹部らが次善の策を見つけることに引き続き期待を寄せており、米国の技術なしでやっていくことは不可能ではないとの1年前からの主張を繰り返している。同社のサプライチェーン管理に関わる関係者の1人は「良いニュースはわれわれにはまだ時間が残されていることだ」と説明。チップアーキテクチャーや供給の「再設計には時間がかかるが、できないことではない」と語った。

原題:
Huawei Troops See Dire Threat to Future From Latest Trump Salvo(抜粋)

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