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米雇用統計、予想外に失業率低下-雇用者数は増加に転じる

更新日時

米国の労働市場は5月に改善した。失業率は市場の上昇予想に反して低下し、雇用者数も予想外に増加した。新型コロナウイルス感染拡大が引き起こした景気低迷から、想定より早く景気が回復しつつあることが示唆された。

キーポイント

  • 5月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比250万人増
    • ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は750万人減だった
    • 前月は2070万人減(速報値2050万人減)に下方修正-1939年の統計開始後で最大の減少
  • 家計調査に基づく失業率は13.3%に低下
    • 市場予想は19%への上昇
    • 前月は14.7%

  ブルームバーグがまとめた調査では、非農業部門雇用者数の増加、失業率の低下を見込んでいたエコノミストはいなかった。

  トランプ大統領は統計発表を受けて記者会見を開き、「傑出した」数字だと称賛。11月の大統領選に臨む前に、データは一段と改善するとの見通しを示した。

U.S. payrolls climbed 2.5 million in May, beating forecast for significant drop

  新型コロナ感染拡大に伴う制限措置を各州が緩和し、企業が従業員を呼び戻す中、米経済が最悪期から立ち直りつつあることを今回の統計は示唆している。ただ、流行の第2波に見舞われ、労働市場が今後一段と揺らぐ可能性は残っている。

  アクション・エコノミクスのチーフエコノミスト、マイケル・イングランド氏は「米労働市場は明らかに4月下旬、5月初旬に危機的状況を脱した。労働市場の活動が持ち直している」と指摘。6月の経済・労働市場データはさらに改善すると予想し、自身の4-6月(第2四半期)国内総生産(GDP)予想を引き上げる考えを示した。

人種別の失業率

  5月の雇用統計は全般的には改善したものの、主要データの一つが悪化した。失業率が白人とヒスパニック系で低下した一方、アフリカ系米国人では16.8%とわずかに悪化し、1984年以来の高水準となった。

  また労働省はデータが正確に報告されていれば、5月の失業率は発表数値より「3ポイントほど高かったであろう」と発表資料に記した。他の理由で仕事を休んでいるが雇用は続いていると記録された一部の労働者が、一時解雇による失業者に分類されていない点を指摘している。

  「U6」と呼ばれる不完全雇用率は21.2%に小幅低下した。前月は22.8%。U6にはフルタイムでの雇用を望みながらもパートタイムの職に就いている労働者や、仕事に就きたいと考えているものの積極的に職探しをしていない人が含まれる。労働参加率は60.8%に上昇。前月は60.2%だった。

  5月は幅広い業種で雇用が持ち直した。大きな打撃を被ったレストランのほか、小売りやヘルスケアも改善。一方、州や自治体の政府職員は2カ月連続で雇用が減少した。

  求人情報サイト、インディードの経済調査ディレクター、ニック・バンカー氏は「大半の予想より早く回復が始まったが、単月のデータで過度に喜んではいけない」とコメント。「新型コロナで最も深い打撃を受けたセクターで、最も大きく雇用が回復している」と分析した。

Millions more Americans in May worked less than full week because of pandemic

  製造業の雇用は22万5000人増加。4月は132万人減っていた。

  5月の平均時給は前年同月比6.7%増。前月は8%増だった。平均時給は低賃金労働者の大量失業を反映して4月に大幅に増加したが、こうした労働者の職場復帰でその影響が若干薄れた。

  統計の詳細は表をご覧ください。

Unemployment by Occupation

原題:U.S. Hiring Rebounds, Defying Forecasts for Surge in Joblessness(抜粋)

(統計の詳細やトランプ大統領の会見、市場関係者の見方を追加して更新します)
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