, コンテンツにスキップする

トランプ大統領、暴力抑止に軍動員辞さず- 州・自治体に行動促す

更新日時
  • 暴行死事件巡る暴動や無法状態を終わらせるとホワイトハウスで演説
  • 極めて多くの「重武装の兵士」派遣-演説後に放火被害の教会を訪問
トランプ大統領

トランプ大統領

Photographer: Shawn Thew/Bloomberg
トランプ大統領
Photographer: Shawn Thew/Bloomberg

トランプ米大統領は1日夜(日本時間2日午前)、白人警察官による黒人暴行死事件への抗議デモが全米に拡大して一部が暴徒化している問題を巡り、暴力抑止に向け都市や州が行動しないなら自身で全土に軍隊を配備することも辞さないと明言した。大統領は極めて多くの「重武装の兵士」を派遣すると強調した。

  大統領はホワイトハウスのローズガーデンで演説し、「われわれは暴動や無法状態を終わらせる」と発言。国民に対し、「あなた方を守るために私は闘う。私はあなた方の大統領として法と秩序を守る。そして全ての平和的な抗議者を支持する」と呼び掛けた。

  トランプ大統領の演説が始まる直前、警官隊が催涙ガスなどを使用し、ホワイトハウスのすぐ北側のラファイエット広場周辺に集結していた平和的なデモ隊を強制排除した。大統領は演説終了後、同広場に隣接する教会を徒歩で訪れた。この教会は5月31日夜のデモの際に施設の一部に放火される被害を受けていた。

  国防総省は首都ワシントンに600-800人の州兵を動員する方針を表明。同省当局者によると、これら州兵はホワイトハウスの警護と国定記念物の保護に当たるほか、地元警察に協力するという。

  大統領とホワイトハウス当局者は、連邦直轄地の首都ワシントン外に軍隊を配備する場合、どのような権限に基づくか質問に答えなかった。しかし、事情に詳しい関係者3人によれば、大統領は1807年暴動法に基づいて部隊派遣を行うことを検討している。

  1992年のロサンゼルス暴動時に発動された同法は、憲法が保障している市民の権利を州が担保できない場合、大統領が州兵を連邦管理下に置くほか、米軍を派遣することを認めている。連邦法は原則的に連邦軍の国内での法執行を禁止しており、治安維持は州と自治体に委ねられている。

  トランプ大統領は演説で、「市や州が住民の生命や財産を守るのに必要な措置を講じることを拒否する場合」は軍を配備するつもりだと発言し、米大統領として州知事の同意なしに暴動法を発動する初のケースになる可能性を示唆した。しかし、連邦軍が国内の法執行を行うのを禁じる民警団法に抵触する可能性もある。

  ただ、トランプ大統領の支持者らは、全米の大都市で抗議活動が数日にわたり続いていることから極端な措置も正当化されると主張する。首都ワシントンのバウザー市長は暴徒化した群衆が放火や略奪を行ったことを受け、夜間外出禁止令を発令した。

Trump Visits Church Across From White House That Was Hit by Fire

ホワイトハウスで演説後、徒歩で教会に向かったトランプ大統領(6月1日)

Photographer: Shawn Thew/EPA/Bloomberg

  今回の演説には、大統領選を控える中で法秩序を維持する姿勢をアピールする狙いがありそうだ。トランプ大統領は広く批判されている新型コロナウイルス感染拡大への対応から争点をずらそうとしてきた。歴代の大統領は抗議デモが激化した場合に、柔軟な姿勢を示すことで沈静化を図っていたが、トランプ氏はそうした役割を果たすのを避けた形だ。

  トランプ大統領はこの日、州知事や法執行当局者とのビデオ会議でデモを厳しく取り締まるよう促していた。大統領は「あなた方は威圧しなければならない」と発言。「威圧しなければ時間の無駄だ。デモ参加者に鼻であしらわれ、間抜け集団に見えてしまう」と語り、「あなた方の大半は弱腰だ」と述べた。

原題:Trump Says He’ll Deploy Military If Cities, States Won’t Act(抜粋)

Trump Pledges to Deploy Troops Across the U.S. Amid Protests(抜粋)

Trump Threatens to Use Troops to Crush Unrest in U.S. Cities(抜粋)

(大統領の発言などを追加して更新します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE