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香港へのトランプ氏の幅広い選択肢-貿易や銀行、米ドル・ペッグ制

市場の動向を見る限り、通商上の香港の優遇措置を一部撤回するというトランプ米大統領の5月29日の発言はそれほどの懸念を呼んでいない。S&P500種株価指数は同日に0.5%高で終了したし、ハンセン指数は6月1日午前に一時3%余りの上昇となった。

  しかし、1992年に成立した米国・香港政策法の下で香港に認められている優遇措置を、米大統領はいつでも大統領令を通じて撤回することができる。ここには貿易から香港ドルの米ドル・ペッグ制まで幅広く含まれる。アナリストが注視しているのは次のような点だ。

  トランプ政権は香港からの輸出に対して中国本土からと同じ関税を課すことも可能だ。また、カーボンファイバーなど軍事利用が可能な物資の米国から香港への輸出について制限を設けることができる。

  さらに、米大統領は香港の自由と自治の後退に責任を負うと考えられる個人に、資産凍結や査証(ビザ)無効化などの制裁を科す権限を有する。中国国務院の香港マカオ事務弁公室の夏宝龍主任や中央人民政府駐香港特別行政区連絡弁公室(香港中連弁)の駱恵寧主任、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が対象になり得る。

  米議会は、香港の自由弾圧に関わる企業と「重大な取引」をする銀行に罰則を科す法律の成立を目指している。成立した場合、これらの銀行は外為取引や米国民または米銀との取引ができなくなり、米国の金融システムから事実上切り離されかねない。

  また、香港ドルと米ドルの自由な交換を認める条項が撤回されれば、香港ドルの米ドル・ペッグ(連動)制の維持が難しくなる。ただペッグ制を巡っては、オックスフォード・エコノミクスなどがその可能性は低いとみている。

原題:Trump’s Options to Hit Hong Kong, From Tariffs to China’s Banks(抜粋)

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