, コンテンツにスキップする

トランプ氏、自身を法と秩序の象徴と演出-コロナ禍よりデモ対応優先

  • トランプ大統領:左派組織「アンティファ」をテロリストと宣言へ
  • 今回の事態はトランプ大統領の手に余る危機か、陣営内部にも懸念
Demonstrators raise their hands in front of the police line at the White House as they protest the death of George Floyd at the hands of Minneapolis Police in Washington, D.C. on May 31, 2020. 

Demonstrators raise their hands in front of the police line at the White House as they protest the death of George Floyd at the hands of Minneapolis Police in Washington, D.C. on May 31, 2020. 

Photographer: SAMUEL CORUM/AFP

トランプ米大統領は警官の暴力行為に対して全米に広がった破壊的な抗議活動の機に乗じ、自身を法と秩序の象徴として描いた。歴代大統領が同様の状況で担った事態沈静化の役割をあえて避けたのは、広く酷評された新型コロナウイルス感染対応から選挙年の話題の転換を図る考えとみられる。

  トランプ大統領は5月31日、抗議活動を「アンティファ」と呼ばれる左派組織の責任に帰すとともに、アンティファをテロリストと宣言する考えを表明した。アンティファは緩い組織の左派運動で、保守派から頻繁に批判の標的にされる。

  大統領の政治顧問らはこの動きについて、再選に向けた選挙戦で対抗馬と目される民主党のバイデン前副大統領に対し、トランプ氏に同調してデモ隊と袂(たもと)を分かつか、ホワイトハウスの一部当局者から暴徒と見なされる人々の側につくかの選択を迫ると予想する。

  しかし、先週のミネソタ州ミネアポリス警察の拘束下で丸腰の黒人男性が死亡した事件をきっかけに深まった政治的・人種的分断の機を捉える選択をしたトランプ大統領は、人々を慰め団結させるリーダーを求める有権者を遠ざけてしまう恐れがある。さらに、トランプ氏が優先順位を下げようとしている新型コロナ感染問題はまだ続いている。

  政敵を無能や常軌を逸した急進主義者と呼び、自身を法と秩序の提供者と描くトランプ氏は、ホワイトハウス入りを実現した2016年の選挙で使った手法を再び活用したい考えだ。16年大統領選ではトランプ氏が「忘れられた米国人」と呼んだ人々の熱狂が、覇気に乏しく分裂した中道・左派を圧倒した。

大統領の手に余る恐れも

  だが、トランプ陣営内部でさえも今回の事態については、多くの危機をうまく乗り越えてきた大統領の手に余るものかもしれないとの声も聞かれる。

  抗議運動が激化する中で有権者は、死者が10万人を超えた新型コロナ感染問題とずたずたになった米経済に耐えている。トランプ陣営に近い関係者1人は、パンデミック(世界的大流行)のさなかで街頭デモを行うこともいとわない有権者が11月に投票所に出向くのは確実だと不安を漏らした。

原題:
Trump Invokes Law-and-Order to Put Protests Over Pandemic (1)(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE