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日本郵政が豪トール再建で野村証起用、資産売却や合併模索ー関係者

  • 物流拠点や倉庫売却のほか一部事業の譲渡、事業統合なども検討
  • 再建策実行は難航の恐れも、多くの利害関係者やサイバー攻撃対応で

日本郵政は業績不振のオーストラリア物流子会社トール・ホールディングスについて、野村証券をアドバイザーに起用し、資産売却や他社との事業統合も視野に抜本的な再建に向けた検討に入った。

Japan Post’s New CEO Puts Growth Aside to Fix Scandal-Hit Group

日本郵政グループのロゴ

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  匿名を条件に語った複数の関係者によると、日本郵政は野村証とともにトール事業の再建案策定に着手。物流拠点や倉庫といった資産売却や一部事業の譲渡、他社との合併や事業統合の可能性も含め、幅広く価値向上について検討している。

  日本郵政は世界展開への足掛かりとして2015年に約6200億円を投じてトールを買収。ところが、資源価格下落などを受けた豪経済の低迷でトールの業績も落ち込み、17年3月期には4003億円の減損損失を計上。直近の20年3月期は1億1700万豪ドル(86億円)の営業損失と、かんぽ生命保険の不適切販売問題に揺れる日本郵政のもう一つの頭痛の種となっている。

  ただ、再建策の実行は難航する可能性もある。関係者の一人は、結論が出る時期について全く分からないと述べた。

  別の関係者は政府が57%の株式を保有する日本郵政は国会議員や総務省、金融庁など利害関係者を多く抱えていると指摘。同社はトール事業について今期(2021年3月期)に経営改善策の実行により営業損益の黒字化を目指すとしているが、調整に時間を要することから再建案に従って実際に事業売却などに着手できるのは早くても今秋以降になるとみている。

  新たな問題も生じた。トールは5月、2度目の大規模なサイバー攻撃を受け、原因究明のために広範にシステムを停止したと発表。盗まれたデータの一部が非合法取引に使われるダークウェブで公開されていたことも発覚した。その対応に追われていることから、再建策取り組みへの影響も懸念されるという。

  日本郵政傘下でトールの親会社に当たる日本郵便の広報担当者は「トールの売却は予定していない。トールの経営改善は喫緊の課題であり、これまでもリストラや不採算事業の売却を行ってきた。引き続き、これまで同様に経営改善に取り組んでいく」と電子メールでコメントした。野村ホールディングスの広報担当者はコメントを控えた。

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