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トランプ大統領、WHOとの関係打ち切り表明-米国内から批判も

更新日時
  • 大統領はWHOへの資金拠出の一時停止を4月に発表
  • WHOとの関係解消が論理的な目的に資することはない-米国医師会

トランプ米大統領は29日、世界保健機関(WHO)との関係を終わらせると表明した。トランプ氏はWHOについて、「中国寄り」だとし、新型コロナウイルス感染拡大について正確な情報提供ができなかったと主張してきた。

  トランプ氏はホワイトハウスでの記者会見で「WHOが実行・関与しなければならない改革について、われわれは詳細を示してきたが、WHOは行動を拒んでいる」と言明。「きょう、WHOとの関係を打ち切る」と述べた。

President Trump Holds News Conference

トランプ大統領の記者会見(ホワイトハウスで、5月29日)

  トランプ氏は貿易慣行や香港の自治を損ねるとみられる国家安全法制定の方針採択などを巡り中国政府に繰り返し不満を示す中で、WHOとの関係を絶つと発表。

  ただ今のところ、同氏がどう関係解消を図るのか、国連の一部であるWHOに加盟するため米国が調印した条約からどれだけ迅速に離脱することができるのかは明らかではない。トランプ氏はWHOへの資金拠出の一時停止を4月に発表していた。

トランプ氏、WHO資金拠出停止表明-中国寄りコロナ対応と批判

  新型コロナと闘っているさまざまな組織や議員は、トランプ氏の決定を直ちに批判。米国医師会のパトリス・ハリス会長は「すでに米国民10万人以上の命を奪ったパンデミック(世界的大流行)の中でWHOとの関係を絶つことが論理的な目的に資することはなく、この公衆衛生危機から抜け出す方法を見いだすことを劇的に一層困難にする」と指摘した。

  上院厚生教育労働年金委員会のラマー・アレグザンダー委員長(共和党、テネシー州)は大統領の決定に反対するとの声明を発表。「確かに新型コロナ関連でWHOが犯した可能性のある間違いをしっかりと厳しく検証する必要はあるが、それを行うのは危機の後であり、そのさなかではない」とコメントした。

米大統領がWHO改革要求、拠出の恒久停止視野-中国は反論

  ジュネーブに本部を置くWHOは業務時間外で今のところコメント要請に応じていない。新型コロナの感染拡大は中国湖北省武漢で始まったが、中国は同ウイルスの脅威についてWHOと世界への警告を遅らせたとの主張を否定している。

  国際危機グループの国連ディレクター、リチャード・ゴワン氏によれば、米国が脱退した国連教育科学文化機関(ユネスコ)と異なり、WHOの規約には正式な離脱メカニズムが記載されていない。「実際問題として、米国が単に全ての支払いを打ち切ることは可能だろう」が、論理的に投票権を失うことにつながると同氏は話した。   

原題:Trump Says U.S. Will End Ties With WHO Over China’s Influence(抜粋)

(最終段落を追加して更新します)
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