コンテンツにスキップする
Subscriber Only

GDP4割の経済対策も景気回復には不十分、早くも3次補正期待の声

  • 夏場に3次補正予算打たねば経済持たない-SMBC日興の丸山氏
  • 大規模な財政支出で支える経済状況は怖い-大和総研の鈴木氏

新型コロナウイルス感染症対策や消費増税を受けた日本の経済対策の事業規模は総額234兆円と、国内総生産(GDP)の約4割に達した。エコノミストらは、感染拡大の影響を受ける企業への140兆円規模の資金繰り支援や雇用維持対策を評価するものの、感染収束後の景気浮揚効果は乏しく、追加経済対策が必要との見方が早くも出ている。

  第2次補正予算案は、資金繰りや家賃支援、給付金など事業と雇用の維持に多くの資金が振り向けられた。倒産や失業者の増加といった経済のさらなる悪化を防ぐことを主眼としており、今後の感染や経済の状況に臨機応変に対応するためには、予備費10兆円の使い道がカギを握るとエコノミストらは指摘する。

  SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは、予備費の活用について「さらなる所得補てんや家賃補助などに使っていくのか、それとも経済が一応再開に向かい、押し上げるために使えるのかがポイント」とし、それが需要喚起に回らなければ、「第3補正予算を夏場には打たないと経済は持たない」と述べた。

Views of Tokyo As Japan Lifts Emergency Nationwide And Seeks to Boost Economy

マスク姿の買い物客ら(東京・吉祥寺、26日)

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  ブルームバーグが調査したエコノミストの予想中央値では、4-6月期の実質GDPは前期比年率22%減と大幅に落ち込む見通し。SMBC日興証券や野村証券などの予想も含まれているが、両社とも第2次補正では需要の持ち上がりは期待できないとみており、補正後も経済成長見通しの上方修正はしない見通しだ。

  2020年通年の実質GDPは前年比4.7%減と、年25兆円程度の生産や需要が失われることが見込まれる。野村証券の桑原真樹シニアエコノミストは、「需要喚起の政策はもう少し感染の拡大が落ち着いてきてからだと思うが、第3次補正もあるのではないか」との見方を示した上で、第4次補正の可能性にも言及した。

新規国債発行は過去最高、公債依存度は56%へ

出所:財務省(2018年度までは決算ベース、19年度以降は補正ベース)

  一方、第2次補正予算案に伴い、20年度の一般会計予算の歳出総額は前年度比約1.5倍の160.3兆円と過去最高を更新、公債依存度は56.3%とリーマンショック後の09年度の水準を上回り過去最高となる。公債依存度に用いられている今年度の税収見通しには、第1次補正予算に盛り込んだ納税猶予の影響が織り込まれていない。

  大和総研の鈴木準執行役員は、「緊急事態宣言解除直後の今は、財政再建が必要だという声はなかなか出にくい」と指摘。ただ、税収の減額補正でまた国債発行になり、さらに財政悪化が進むと予想する。日本銀行が国債買い入れ上限を撤廃しているため、市場金利が上がるということは直ちに起きないものの、「大規模な政府支出で経済を支えないとうまくいかないという状況を作ってしまうのは怖い」と述べた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE