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「モデルS」「X」で5000ドル、「3」で2000ドルそれぞれ引き下げ
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「値下げは戦術的なもので米需要を支える狙い」とみる向きも
米電気自動車(EV)メーカー、テスラの最近の値下げは、新型コロナウイルス感染拡大による需要への影響が株価に織り込まれている水準より大きいことを示唆している。
「モデルS」と「モデルX」で5000ドル(約54万円)、「モデル3」で2000ドルの価格引き下げは「テスラも相当な北米需要の低迷を免れないことを認めたものだ」と、ロス・キャピタル・パートナーズのアナリスト、クレイグ・アーウィン氏は27日のリポートで指摘。「株価が高値圏にある」中で、「問題は、米国で目に留まるような成長を引き続き実現できるかだ」とした。

クレディ・スイスのダン・レビー氏は値下げによって4-6月(第2四半期)の販売台数を巡るシナリオが変わると指摘。価格変更の前は在庫逼迫(ひっぱく)で需要が抑えられるとの懸念もあった。同社は3月23日、米国内唯一の車両組立工場を一時停止し5月中旬に生産再開に動いた。
ウォール街で最も高い1100ドルの目標株価を掲げるニュー・ストリート・リサーチのアナリスト、ピエール・フェラギュ氏はリポートで「昨今の感染拡大を背景に値下げは戦術的なもので米需要を支える狙いがある可能性が高い」と指摘した。
原題:Tesla’s Price Cuts Signal Demand Weaker Than Stock Suggests (1)(抜粋)