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日産ルノー連合、投資4割減目指す-各社が得意分野で事業けん引

更新日時
  • 日産は日米中担当、ルノーは欧露と南米、三菱自は東南アなどに責任
  • 2025年までに3社連合の車の半数近くをこの方式で生産、開発

日産自動車と仏ルノー三菱自動車の3社連合(アライアンス)は27日、各社がそれぞれ強みを持つ地域の事業をけん引する方式での協力体制を強化し、各社の車への投資額の抑制につなげていくことを明らかにした。最大40%の削減効果が見込まれているという。

  日産などの発表資料によると、この体制強化による削減効果は従来のアライアンスの相乗効果に上乗せされるという。アライアンスはこれまでのプラットフォーム(車台)からアッパーボディーなどの部位にも共通化を進める。

  各地域でリーダーとなる会社を決め、他の2社がそれをサポートする「リーダーとフォロワー」の枠組みを活用。日産が中国と北米、日本で主導権を握る一方、ルノーは欧州・ロシア・南米・北アフリカで、三菱自は東南アジアとオセアニアの事業推進を先導する。2025年までにアライアンス各社の車の50%近くがこの枠組みの下での開発、生産されるという。

  技術面でも同様の区分を設け、日産が自動運転、ルノーがコネクティッド関連、三菱自が中大型車向けのプラグインハイブリッド車の技術開発などを主導する。

3社連合の発表の骨子
  • 商品分野ごとにある会社がリーダーを務め、フォロワー会社のサポートを得ながらマザービークル(リーダー会社の車)とシスタービークルを開発
  • 必要に応じてリーダー/フォロワーの車両生産を少数に工場に集約するなど最も競争力の高い環境で生産
  • 技術開発の効率性向上へメンバー各社はプラットフォーム、パワートレイン、技術への投資をシェア
  • アライアンスの共通プラットフォームを用いたC/Dセグメントの車、電気自動車が近い将来に投入
  • コネクティッドカー技術ではルノーがアンドロイドベースのプラットフォーム、日産が中国市場向け開発のリーダーに

  各社が役割分担をする枠組みについて、自動車調査会社、カノラマの宮尾健アナリストは、20年にわたってアライアンスを主導してきた日産、ルノーのカルロス・ゴーン元会長という「カリスマ的な経営者がいない今、誰かがそれに代わろうと思っても代われなかった」との見方を示した。その上で、宮尾氏は「ゴーンを超えるリーダーを待っている間に倒産してしまうので、今回のやり方しかなかったのだろう」と語った。

  ルノーのジャンドミニク・スナール会長は27日にインターネット中継された3社の共同会見で、「このコロナ危機の中でもわれわれの固い絆は続いている」と述べ、アライアンスを「競争力の礎」であると強調した。新型コロナウイルスの影響で停止していた工場の生産や営業の再開を踏まえ、「今こそ再建の時期だ」と語った。

  日産の内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)も「アライアンスは各社の固定費削減や売上高の増加に貢献し、さらに将来の成長を支えることになる」と語り、協力体制の重要性を訴えた。

  SBI証券の遠藤功治シニアアナリストはアライアンス内での役割分担はこれまでも既にやってきているが「結果だけ見れば3社とも赤字で、何もしていませんでしたと言われても仕方がない」と指摘。

  遠藤氏は日産・ルノー間の不均衡な資本関係を巡って日産側に不満があったことが「アライアンスがうまくいかなかった理由の一つ」とし、その問題を「棚上げして本当に何ができるのか」と語った。

  日産・ルノーの関係悪化の一因ともなった統合構想について、スナール会長は「効率を生むのに合併をする必要はない」として、アライアンスの強化が優先課題だとの見方を示した。

  日産は28日に新たな中期経営計画と前期(2020年3月期)の決算を発表し、ルノーは翌29日にコスト削減計画を明らかにする見通し。

(アライアンスの発表内容の骨子や外部コメントなどを追加して更新します)
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