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中国、国内のコロナワクチン開発を総力支援-5種類の候補の現状

  • 中国と米英などが熾烈なワクチン開発競争、成功の予測は時期尚早
  • ワクチン候補の効果確認と発表した康希諾生物の株価が今週急落

世界的に新型コロナウイルスのワクチン開発競争が激化する中で、中国政府は国を挙げて国内のワクチン開発企業を後押ししている。

  米国はワクチンの迅速な開発に向け、第2次大戦時の原子爆弾開発プロジェクト「マンハッタン計画」のように官民を総動員する「オペレーション・ワープ・スピード(超高速作戦)」をスタートさせた。しかし、急ピッチで大規模な中国の取り組みにより、米国への圧力が高まっている。

  中国の習近平国家主席は、ワクチンを世界と共有すると既に明言している。だが、中国が世界の多くの国に先駆けて実用化に成功すれば、同国の地政学的な影響力は極めて強大になるだろう。

  中国企業が臨床試験を行っているワクチン候補は5種と、世界で最も多い。政府は衛生当局や医薬品当局、研究機関を総動員して国内企業を24時間体制で支援。政府に加え、プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社も資金面を支えており、こうした後押しを受け、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)は今月、ワクチン候補の第2相試験を開始した。

  また、中国の康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)は先週、英医学誌ランセットに掲載された論文で、ワクチン候補の安全性と免疫反応の誘導が確認されたと発表。ただ、最終的なワクチンの開発成功を予測するのは時期尚早であり、欠陥があるのではないかとの懸念から今週に入り同社の株価は急落した。

  ロンカー・インベストメンツの最高経営責任者(CEO)で、自身も康希諾生物に投資しているブラッド・ロンカー氏は、中国が世界で最初にワクチン開発に成功する可能性はあるとしながらも、康希諾生物が完全に有効なワクチンを実用化できるかは別の話だと述べた。

  中国はワクチン開発を米英と激しく競い合っており、どのワクチン候補が最初に実用化されるか見極めるのはなお難しい。

中国の開発主体ワクチン候補の種類進捗

康希諾生物

/中国軍事医学科学院生物工程研究所
アデノウイルス5型ベクター第2相
武漢生物製品研究所、中国生物技術集団不活化第1・2相
北京生物製品研究所、中国生物技術集団不活化第1・2相
科興控股生物技術不活化第1・2相
中国医学科学院医学生物学研究所不活化第1相

ソース: 世界保健機関

備考:第1相試験は通常、少数の患者を対象に安全性を検証。第2相試験ではより大規模なヒト治験を行う

原題:
Xi Seeks Victory Over Trump in Race for a Covid-19 Vaccine (1)(抜粋)

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