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ドル・円値幅は一足先に収束、コロナ前の膠着相場再び

ドル・円の値幅変動が新型コロナウイルス感染拡大以前に逆戻りし、再び膠着(こうちゃく)相場となっている。コロナに対する根強い不透明感と経済再開への期待が混在する中、身動きが取れない状況だ。3月は感染拡大に伴う経済への悪影響を巡る思惑で大相場を演じていた。

  ドル・円の日中平均値幅は、3月に2円8銭と今年これまでのピークを付けた。その後4月は75銭、5月は18日までで64銭と縮小し、2月と同水準にまで戻している。ドル・円の1カ月物予想変動率も21日には2月以来の6%割れとなった。

  みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、「新型コロナの一方的な悪化に歯止めはかかったものの、その影響など不透明感が高く、もう少し投資判断を見極めたいのだろう」と指摘。また、安全資産としてドルと円が同じ方向に動きやすいこと、米日金利差などで明確な差がなくなっていることも背景にあるとみる。

スポット出来高はコロナ前よりも低迷しつつある

  ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔為替資金営業部長は、為替市場全体としてのボリューム減少を指摘。コロナ感染拡大による自粛下における「リモート体制の影響があるかもしれないが、それでもかなり落ち込んでいる」との見方を示した。

  日本銀行が日次で公表している外国為替市況によると、スポット出来高(ブローカー経由取引分)は、3月の平均92億2200万ドルを最大に、4月は41億5300万ドル、5月は18日時点で33億1400万ドルまで落ち込んだ。これは1月の57億1300万ドル、2月の66億7200万ドルをも下回っている。

  

米日10年金利差は大幅に縮小

FX投資家の取引額も4月に激減

  個人投資家による証拠金取引も同様だ。金融先物取引業協会が19日に公表した店頭FX月次速報によると、4月の取引金額は約514兆円と3月の約1016兆円からほぼ半減した。通貨ペアの取引状況をみると、ユーロ・円は前月比約26%減、オーストラリアドル・円は約36%減に対して、ドル・円は約55%減となった。

  みずほ証券の鈴木氏は「個人投資家もドル・円は一時ほどのボラティリティーがなくなり、金利差もない中でなかなかペイするような状況ではなくなっており、豪ドル・円などのクロス円の方に向かっている可能性はあるだろう」とみている。

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