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大和証G社長:本社・支店の軽量化で経費削減へー在宅勤務根付く

更新日時
  • 2024年3月期の連結経常利益は1600億円強を想定
  • スマホ特化証券サービス、7月末までには営業を開始する予定

大和証券グループ本社は、経費削減の一環として東京・八重洲の本社や全国の支店の軽量化による不動産費用の削減を検討する。新型コロナウイルス感染拡大の下で、日本政府が在宅勤務を取り入れた新しい生活様式導入の旗を振る中、保守的な顧客を多く抱える対面証券にも変革の機運が広がっている。

Daiwa Securities Group Inc. President Seiji Nakata Interview

中田誠司社長

Photographer: Junko Kimura-Matsumoto/Bloomberg

  中田誠司社長はブルームバーグとのビデオ通話インタビューで、コロナ禍で環境が大きく変わったことを受け、中期経営計画の最終年度に当たる今年度中に不動産経費の削減や、それに伴う人員再配置計画を再検討し、新中計でも効率化を進めたいとの認識を示した。

  同社は3月に全社員のテレワーク制度を確立。「本社では部署によって出社ゼロ、または1割でできる業務が結構ある」ことが分かったという。本社の大幅な規模縮小は考えていないというが、コロナ禍収束後も「常時テレワークの社員が一定数いて業務がしっかり回るなら、その分の不動産は不要になる」と指摘。「本社、支店を含めた軽量化を当然考えている」と述べた。

  支店営業網では、大型支店を統合して低コスト・小規模な営業所の出店を進めている。同社は2019年3月期に3739億円だった販管費を2年間で約150億円削減するコスト削減計画を実行中で、達成後も店舗効率化を加速する。オフィス賃貸を含む不動産関係費は20年3月期で366億円だった。

  オンライン専業証券と比べ、顧客層の年齢が高い対面証券では、書面での契約や面会など昔ながらの営業を好む個人客も多く、テレワークになじまないとみられていた。しかし、大和証のリテール収益は、1-3月と比べて出社人員が3割に抑制された4月は2割減となったが、5月は1割減程度に回復する見通しだといい、潮目が変わりつつある。

  野村ホールディングスの北村巧財務統括責任者(CFO)も19日の投資家向け説明会後の会見で、グローバルで7割以上が在宅勤務をしているとして「本社を含めたロケーション戦略が非常に重要になってくる。ここの見直しはかなりのコスト圧縮につながる」と不動産費用削減に言及した。

競争力に自信

  21日に開催した経営戦略説明会の資料によると、完全子会社「CONNECT(コネクト)」を通じたスマートフォン特化型の証券サービスは、6-7月に開業予定。当初は今春の開業を目指していた。開業当初は国内株式に特化する。中田社長はインタビューで、ポイント制度の活用など「ちょっと使ってみようかなと思ってもらえることをいろいろ考えている」としていた。

  SBIホールディングスと三井住友フィナンシャルグループが先月、スマホ金融での包括提携を発表するなど、この分野の競争が激化している。中田社長は、競合の戦略を見てきた「後発ゆえに現時点で競争力のある条件でスタートさせる」と自信をのぞかせた。資料によると、手数料は業界最低水準で、月10回程度の手数料無料クーポンを毎月配布する。

  今年度が最終年度となる3年間の中期経営計画については、業績目標として掲げた経常利益2000億円以上、自己資本利益率(ROE)10%以上での着地は「今の環境では無理だ」と述べた。資産導入額(時価要因を除く)など業績以外の目標については引き続き追い掛けていくとした。

  説明会後の電話会見で、中田社長は次期中計の最終年度に当たる24年3月期の連結経常利益は1600億円強と、現中計目標より3割近く想定値を引き下げていることを明らかにした。20年3月期並みの厳しい市場環境を前提にしたという。内訳はリテールで510億円、ホールセールで540億円、アセット・マネジメントで330億円、その他のハイブリッド戦略で290億円に連結相殺を加味した。ROEは8%台半ばという。

(経営戦略説明会での中田社長の発言などを加えて更新します)
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