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ソニーが金融事業を4000億円で完全子会社化、「経営安定」と社長

更新日時
  • 年間400億円-500億円の金融事業の純利益増を見込む、ROE改善へ
  • 「他のビジネスとのシナジーが出るか難しい」と大学教授

ソニーは19日、生命保険など金融事業を手掛ける上場子会社のソニーフィナンシャルホールディングス(FH)を完全子会社化すると発表した。他の株主が所有する35%を対象に約4000億円を投じて株式公開買い付け(TOB)を実施する。グループの一体的な経営の強化が狙い。

  買い付け価格は1株当たり2600円で、期間は20日から7月13日。資金は全額借り入れで賄う。TOBについては、日本経済新聞電子版が発表前に報じており、19日のソニーFH株は一時前日比17%高となる2413円まで急騰した。

  完全子会社化により来期(2022年3月期)以降、年間400億円-500億円の金融事業の純利益増を見込む。1株当たり利益(EPS)や自己資本利益率(ROE)の改善にもつなげる。財務アドバイザーにはゴールドマン・サックスを起用した。

Sony Corp. CEO Kenichiro Yoshida Speaks at the Company's Technology Day

Kenichiro Yoshida

  吉田憲一郎社長兼最高経営責任者(CEO)は金融事業は日本に安定した事業基盤を持っており、新型コロナウイルスの感染拡大で地政学的リスクが高まる中、「グローバル企業としての経営の安定につながる」と話した。また上場子会社として存続するよりは「グループシナジーを追求するべきだと考えた」と述べた。

  金融事業の前期の営業利益は1296億円と全体の15%を占める。新型コロナウイルス拡大を受け今期の連結営業利益は少なくとも前期比3割減との試算を示しているが、金融分野では開示していない。

前期の営業利益内訳

G&NSはゲーム&ネットワークサービス、EP&Sはエレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション、I&SSはイメージング&センシング・ソリューション

出所:ソニー

  早稲田大学ビジネススクールの長内厚教授は、「4000億円を投じてまで完全子会社化する必要性が見えない」と指摘。ソニーFHは国内事業が中心でグローバル展開するソニーとの相性は悪く、「他のビジネスとのシナジーが出るか難しい」と分析した。収益の安定化に貢献する可能性はあるが「ソニー全体の成長性という意味では少し寂しい」とも述べた。

  ソニーは1979年、米保険大手プルデンシャルと合弁で生命保険会社を設立して金融事業に参入した。その後、損害保険や銀行も始め、2004年に日本で初めて保険会社と銀行を傘下に持つ金融持株会社としてソニーFHを設立。07年に東証1部に上場した。

  21年4月1日付で商号をソニーグループに変更し、事業間の調整など本社機能に特化した会社とする。役員は、本社主要機能の責任者と主要事業会社の最高経営責任者で構成する。

(吉田社長の会見での発言やソニーグループについての詳細を追加します)
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