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ソフトバンクG、アリババ株使い1.2兆円調達-創業来最大の赤字

更新日時
  • 前期ファンド事業は1兆9313億円の赤字、投資先公正価値が減少
  • 新型コロナ、収束遅れれば今期も投資事業の不透明感拭えない可能性

ソフトバンクグループは18日、保有する中国アリババ・グループ・ホールディング株を利用した金融機関との先渡し売買契約で、115億ドル(約1兆2300億円)を調達することを決算短信の中で明らかにした。

  3月に発表した自社株買いと負債削減に充てる最大4.5兆円規模の資産売却計画の一環。既に4月と5月に契約を結び、一部を除き入金が完了している。

  前期(2020年3月期)決算は、ビジョン・ファンドなどからの営業損益が1兆9313億円の赤字(前の期は1兆2566億円の黒字)となった。配車サービスの米ウーバー・テクノロジーズやシェアオフィス運営の米ウィーワークなどの公正価値が減少したほか、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でその他投資先の公正価値も減った。

  3月末時点で同ファンドは88銘柄を保有している。全体の営業損益もアーム事業の利益悪化などが響き、1兆3646億円の赤字(前の期2兆736億円の黒字)。純損益は過去最大となる9616億円の赤字に転落した。新型コロナについては、感染拡大の収束が遅れれば、今期も投資事業は先行き不透明感が拭えない状況が続くとみている。

  東海東京調査センターの石野雅彦シニアアナリストは、巨額赤字を計上したことについて「孫社長の自身に対する進退、今回の損失に対してどういう行動をとるのかに注目している」と話した。

  同日朝には、07年からソフトバンクGの取締役を務めてきたアリババ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が6月の株主総会で退任するとも発表した。本人の意向だという。3月に発表した2兆円の自社株買い計画の一環で、総額5000億円を上限に自社株買いを行うことも明らかにした。

  また、サウジアラビア政府系のパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)がビジョン・ファンドへの投資を担保に、約100億ドル(約1兆700億円)の借り入れを計画が事情に詳しい関係者の話で分かった。PIFは電子メールの声明で、「計画しておらず、検討すらもしていない」と否定した。

SoftBank CEO Masayoshi Son Presents Third-Quarter Results

ソフトバンクGの孫社長

  孫正義社長は2月の決算会見で、「潮⽬が変わった」と事業環境が回復傾向にあるとの認識を示し、「厳しい冬の後には春が来るんだということを改めて体感した」とも語った。しかし、わずか3カ月後に巨額の赤字を再度計上し、市場動向に左右される不安定な収益体質が浮き彫りとなっている。

  新型コロナウイルスの感染拡大で人の移動が制限される中、ソフトバンクGの投資事業は依然として厳しい状況にある。ビジョン・ファンドの出資先で、ホテルを運営するインドのOYO(オヨ)は宿泊客が減少し、ウーバーも顧客の支出を示す指標は1-3月に初めて減少した。2月以降に下落傾向を強めた世界の株式市場の戻りも鈍い。

  ウィーワークも引き続き頭痛の種だ。昨年10月に1兆円規模の支援策を発表したが、前提としていた合意条件が満たされず、支援策の一部だった公開買い付け(TOB)を取りやめた。

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(資金調達に関する記述や決算内容の詳細を追記します)
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