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WTOのアゼべド事務局長、任期終了前に辞任-後任選びは紛糾も

更新日時
  • ブラジル出身のアゼベド氏、2期目途中の8月末で退任
  • WTO上級委員会は昨年来の欠員で事実上機能不全に

世界貿易機関(WTO)のアゼベド事務局長は加盟各国に対し、2021年の任期終了前に辞任すると伝えた。世界的リセッション(景気後退)が始まる中で、米国と中国の経済戦争のはざまに立たされるWTOトップの後任選びは議論を呼びそうだ。

  ブラジル出身のアゼベド事務局長(62)は13年9月に就任し、17年9月に2期目の任期(4年)に入っていた。今年8月末で退任するという。

  アゼベド氏はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、辞任発表のタイミングについて「自分と家族、WTOにとって最善だからだ」と説明。健康上の理由や別の政治的野心のためではないとし、「現時点でわれわれは何もしていない。何も交渉がなく、全てが滞っている。通常業務では何も進んでいない」と吐露した。

Day Three Of World Economic Forum 2019

アゼベドWTO事務局長

写真家:Jason Alden / Bloomberg

  WTOは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で世界貿易が混乱する前から、多くの制度的危機の収拾に苦慮し、困難な状況にある。7人で構成される上級委員会は昨年、委員指名を巡る米国の反対で欠員が生じ、紛争解決システムは事実上機能不全に陥っている。

  アゼベド氏は加盟国に対し、速やかに後任選定作業に着手するよう促した。過去にはエジプト出身で元WTOサービス貿易・投資部門ディレクターのアブデルハミド・マムドゥ氏、ナイジェリアのフレデリック・アガ現事務局次長、ベニン国連大使のエロワ・ルル氏の少なくとも3人がアゼベド氏に代わる事務局長として名乗りを上げたことがある。

  9月1日までに加盟国が新たな事務局長を選定できない場合、ナイジェリアのアガ氏のほか、ドイツのカール・ブラウナー氏、米国のアラン・ウルフ氏、中国の易小準氏の4人の事務局次長のうち1人が暫定事務局長を務める可能性がある。1995年のWTO発足以降、米国あるいは中国の出身者が事務局長に就任したことはない。

原題:WTO Director-General Roberto Azevedo Is Said to Plan to DepartAzevedo Stepping Down Early From a WTO Already on the Brink(抜粋)

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