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トヨタは今期大幅営業減益も黒字確保、ホンダは未定-コロナ影響

更新日時
  • トヨタの営業利益は8割減5000億円に、純利益などの見通しは示さず
  • 世界販売は4月底に回復、年末~来年にかけ前年並みに戻るとトヨタ

新型コロナウイルス感染症が世界経済の先行きに影を落とす中、国内自動車大手のトヨタ自動車ホンダが12日、決算を発表した。両社とも1-3月は減収減益だったが今期(2021年3月期)の業績予想についてホンダが未定とした一方、トヨタは早ければ年末ごろの正常化を見込んでいるとして大幅な営業減益となるものの黒字は確保するとの見通しを示した。

Japan Auto Dealerships Ahead of Full-year Earnings

都内の販売店に掲げられたトヨタのロゴ(5月10日)

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg


  トヨタは今期の営業利益が前期比80%減の5000億円になるとの見通しを発表。新型コロナウイルスの感染拡大で世界各地の工場で稼働が不安定な状況が続く中、黒字を確保する。

  今期の売上高は前期比20%減の24兆円とし、純利益や税引き前利益などについては未定とした。営業利益面では販売台数減少により前期比1兆5000億円、為替も4300億円のマイナス影響となる。トヨタでは今期から国際会計基準(IFRS)を導入した。

トヨタ決算の詳細

1-3月期実績

  • 売上高:7兆998億円(前年同期7兆7501億円)
  • 営業利益:3840億円(前年同期5295億円)
  • 純利益:631億円(前年同期4595億円)

今期の主な計画値

  • 想定為替レート:1ドル105円(前期109円)、1ユーロ115円(同121円)
  • 連結世界販売台数(前提):700万台(前期895.8万台)
  • グループ世界販売台数(前提):890万台(同1045.7万台)
  • 設備投資費:1兆3500億円(同1兆3930億円)
  • 研究開発費:1兆1000億円(同1兆1103億円)

  トヨタの近健太執行役員はオンライン中継された会見で、世界の新車販売は4月を底に販売回復しているとし、年末から来年にかけて前年並みに戻ることを想定していると述べた。米国はもともと経済が強く政府の経済対策もあることから早い段階で前年並みに戻ることを前提としていると話した。欧州市場も7月以降の回復を前提に置いているとした。 

  近氏はコロナの影響は甚大で事業の先行きを見通すことが難しい中でも、裾野の広い産業規模を持つ自動車メーカーとして「なんらかの基準を示すことが必要」との考えの下、見通しを公表したと述べた。

  一方、ホンダは今期の売上高や利益見通しについて未定とした。新型コロナ感染症の拡大に伴う影響を合理的に算定することが現時点では困難とし、今後、可能となった時点で開示するとしている。

ホンダ決算の詳細

1-3月期実績

  • 売上高:3兆4580億円(前年同期4兆491億円)
  • 営業損益:56億円の赤字(同423億円の黒字)
  • 純損益:295億円の赤字(前年同期赤字130億円)

  新型コロナの感染拡大が中国で始まり、欧州や米国など世界中に拡大していった21年1-3月期の営業損益は販売台数の減少が大幅なマイナス要因となり、56億円の赤字(前年同期は423億円の黒字)となった。四輪事業の営業赤字は756億円と前年同期(530億円)から赤字幅が拡大した。

  前期(20年3月期)の世界二輪販売は前の期比4.4%減の1934万台、四輪販売は10%減の479万台だった。今期の予想台数は示していない。  

  ホンダの倉石誠司副社長はオンライン中継された会見で、中国では中央政府や一部の地方政府による数々の消費刺激策の影響もあって「市場は活発化してきている」と述べた。また、米国の東海岸地区では徐々に販売店の稼働が再開してきており、夏頃には全国的にも販売が正常化することを想定していると明らかにした。

  新型コロナが最初に流行した中国では1月から自動車販売が急減。その後事態が収束に向かう中で4月の自動車販売台数が増加に転じたほか、米国や欧州でも工場でも一部稼働が再開されるなど明るい兆しも出始めている。しかし中国・武漢で4月の都市封鎖解除後で初の感染や韓国で集団感染が発生するなど新たな懸念も出ており、自動車業界の先行きには不透明感が残る。

  ホンダの竹内弘平専務は20年3月末で月商の1.9カ月に相当する1兆9306億円のネットキャッシュがあることに加え、4月以降も金融機関からの融資を得たことで、手元資金によって「当面の資金需要は賄える」との認識を示した。新型コロナ感染の第2波などにより資金がさらに必要であれば、追加の社債発行や銀行からの融資枠を活用することで手元流動性を確保していくとした。

  新型コロナの影響で自動車販売は世界的に大きく減少し各社の業績を直撃している。フォード・モーターとフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が1-3月期が赤字となったほか、日本勢では日産自動車が11年ぶりの通期の赤字転落の見通しを示している。

(ホンダの役員のコメントを追加して更新します)
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