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厚労省がレムデシビルを承認、新型コロナ治療薬として国内初

更新日時
  • 日本への供給量限定的の可能性、国がレムデシビルの配分を管理
  • 政府はアビガンについても月内に薬事承認の方針

厚生労働省は7日、米ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬「レムデシビル」を新型コロナウイルスの治療薬として承認した。同社が発表した。国内での治療薬承認は初めてとなる。

  マーダッド・パーシー最高医療責任者(CMO)はリリースで、「レムデシビルを日本が承認したのは、重症患者を治療する緊急の必要性を認識した結果だ。今回のパンデミック(世界的な大流行)が特異な状況であることが反映された」と説明した。

  ニューヨーク時間7日午前11時50分現在、ギリアドの株価は前日比0.6%高の77.95ドル。

  厚労省は7日夕の薬事・食品衛生審議会で了承された後に、緊急時に審査期間を簡略化できる特例承認する方針としていた。

  菅義偉官房長官は同日午前の会見で、承認を得た場合「必要としている患者に速やかに薬剤が届くよう今後製造企業とも相談の上、その確保に努めていく」と述べていた。

Japan Set to Approve Gilead’s Remdesivir Drug to Treat Virus

レムデシビル

Photographer: Ulrich Perrey/AFP via Getty Images

  レムデシビルについては安倍晋三首相が4日の記者会見で、特例承認を求める申請があったことを明らかにした上で、「速やかに承認手続きを進める」と表明。首相は6日のネット番組で、7日中に承認する考えを示した。特例承認は、他国で使用が認められている国内未承認の新薬を早期に承認する仕組み。

  米国では臨床試験の中間分析で、新型コロナ入院患者が回復に要する期間を短縮したとの結果が出ており、食品医薬品局(FDA)が1日、緊急使用許可(EUA)を与えた。FDAの発表文によると、EUAは血中酸素レベルが低いか呼吸の補助が必要な入院患者に限定される。

  ギリアドは、世界的な感染拡大を受け、150万回分のレムデシビルを無償提供すると発表。各患者への投与期間を10日間とすると14万人分に相当する量で、同社は同薬剤の治療に適した患者の重症度と供給状況を考慮して、集中治療室(ICU)を備えた医療機関や、政府が特に必要性が高いと判断する医療機関に同薬を優先的に配布する予定としている。

Gilead Sciences Headquarters As Jumps To Two-Year High On Covid-19 Drug Hopes

米ギリアド本社(カリフォルニア州)

Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

  ギリアドは2020年10月までに50万人分、12月までに100万人分の生産量を目標としていると発表している。日本への配分量は決まっていない。

  厚労省の新型コロナ感染症対策推進本部は4日付の都道府県宛の事務連絡で、「日本への供給量が限定的なものとなる可能性がある」として、各医療機関の必要量を把握した上で重症者の受け入れ状況などに応じて、国がレムデシビルの配分を管理する方針を示した。

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  厚生労働省のウェブサイトによると、6日公表分までの日本国内の感染者は1万5000人、死者は500人をそれぞれ超えている。

  新型コロナ治療薬に関しては、治験が進められている富士フイルム富山化学の新型インフルエンザ治療薬「アビガン」についても、政府が月内に薬事承認する方針を示している。ノーベル医学生理学賞を受賞した大村智特別栄誉教授が開発に貢献した抗寄生虫薬「イベルメクチン」についても安倍首相は6日、治療薬として承認を目指す治験を開始していく予定だと述べた。

(ギリアドの発表と米市場での株価を追加します)
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