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銀行窓口の「不急業務」、住宅街で増加-全銀協が事例示し自粛協力要請

  • 古い通帳の解約や記念通貨の現金化、窓口で対応に苦慮するケースも
  • キャラクターのぬいぐるみを置いて間隔確保、特設サイトも開設

「外出を自粛して家を掃除していたら古い通帳が見つかった。口座を解約したい」。来店者のこうした依頼は「不要不急」か。

  そんな難問と格闘する銀行窓口の行員のために、全国銀行協会は28日、「不急業務事例」を会員各行に配布した。

  「それぞれのご事情がおありだと思うが、本当にお急ぎの取引かについてぜひお考えいただきたい」。全銀協の三毛兼承会長(三菱UFJ銀行頭取)は同日の電話会見で顧客に理解を呼び掛けた。資料では、「急ぎでない場合は控えてもらう」事例として口座開設・解約や定期預金の預け入れ、両替や運用商品の購入などが挙げられている。

  新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた緊急事態宣言発令後、銀行窓口の利用者数は都心で減少する一方、住宅街の支店では増えている。銀行各行は可能な範囲でネットバンキングやATMを利用するよう案内しているが、古い通帳の残高確認などは時間がかかり、記念通貨を現金化しようと訪れる家族連れなどで店内は混み合う。マスクの着用をお願いすると「お叱り」を受けることもあるという。

  政府が出勤者の7割削減を要請する中、銀行も交代勤務などで窓口対応人数を減らしている。しかし、政府から全国民に支給される10万円の特別定額給付金の振り込みが近く始まるほか、休業の影響で資金繰りを急ぐ事業者への無利子・無担保融資対応の体制を整える必要もある。

  三毛会長は、各行の現場で業務の優先順位を付けようとしたが「それぞれで努力しても難しく、協会としてメッセージを発することが必要」と判断したと述べた。

感染防止

  混雑は今後さらに増えると予想される。三井住友銀行の高松英生事務統括部長は、4月から5月にかけては自動車税や固定資産税などの納付期限もあり、支店がさらに「密の状態になる可能性がある」と語った。

  同行では、全400店舗の来店者数が2月と比較して15%減少する中、増加した支店が3割程度ある。住宅街などでは来店者数が4割増えた支店もあるという。混雑時には入店を順番待ちにしたり、記帳台を壁向きに設置したりするほか、支店によっては手作りのキッチンペーパーマスクを配布するなどの工夫も凝らしている。

Resona Bank's mascot 'Resonya'

りそな銀行の支店の様子

  りそな銀行の神奈川県内の支店では、座る間隔を空けてもらうために同行のキャラクターである「りそにゃ」のぬいぐるみを椅子に置いた。来店者数は緊急事態宣言前後と比較して約1割の減少にとどまり、出勤する行員数を抑制しているため混雑する時間帯が発生している。例年ゴールデンウイーク前後は来店者数が8割増となることから、感染防止のため自宅でのアプリ利用などを促す特設サイトを作って顧客に協力を呼び掛けている。

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