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日産、前期営業益は従来予想から最大1300億円悪化の可能性-赤字も

更新日時
  • コロナで販売減加速、純損益も従来予想比最大1600億円悪化で赤字に
  • 前期の正式な決算や中期計画の見直しは5月28日に公表できる見通し

日産自動車は28日、前期(2020年3月期)の業績が従来予想より悪化するもようだと発表した。通期の営業利益は従来予想値から1200億-1300億円程度、純利益は同1500億-1600億円程度それぞれ悪化する見通しで赤字転落の可能性が高い。

Nissan Motor Vehicles As The Company Struggles to Find Buyers for Unit, Bonds Amid Turmoil

横浜市内の日産ディーラー(2020年2月)

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  日産の発表資料によると、営業利益面では新車や部品の販売減少による影響が約900億円 、販売金融事業の貸倒引当金の追加計上による影響が約300億円あった。純利益には持分法適用会社に関連する影響額約300億円が含まれているという。ブルームバーグのデータによると、通期の赤字転落は09年3月期以来11年ぶりとなる。

  日産は2月、前期の業績見通しを下方修正。営業利益を前の期比73%減の850億円、純利益を同80%減の650億円としていた。検討を進めている中期計画の見直しに伴う影響は今回の修正には含めておらず、追加的な引当金を計上せざるを得ない可能性があるとしており、さらに業績が悪化する可能性もある。

  東海東京調査センターの杉浦誠司アナリストは「これだけの赤字が出るとは予想していなかったので、サプライズだった」と述べた。杉浦氏はコロナ影響で販売が急減する中、日産が5月発表の中期経営計画で生産能力の削減を打ち出しても不十分となる可能性があると指摘。欧州や米国などの主要な工場を閉鎖するといった抜本策には踏み切れず、「中途半端になる可能性が高い」と語った。

  日産の業績は18年11月にカルロス・ゴーン前会長が逮捕されて以降、急激に悪化。新型コロナウイルスの感染拡大以前から新車販売台数も大幅に減って、再建に向けた取り組みを進めていた。

  しかし、欧米で外出規制などの動きが強まり、世界各地の工場で稼働停止が始まった3月の世界販売は前年同月比43%の大幅減で31万5194台にとどまった。前期の正式な決算や中期計画の見直しは5月28日に公表できる見通しという。

  日産のアシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)は28日、ブルームバーグとのインタビューで、現在の環境を踏まえ、同氏は市場シェアの増加、コスト削減と現金の管理に集中していると語った。

  またグプタCOOは「我々は十分な手元資金を持っている」とした上で、「1兆4000億円の現金と1兆3000億円の融資枠がある。この状況が事態を安定させている」と述べた。中国での販売が立ち直りつつあるなど明るい兆しも出始めているという。

  経営環境の悪化に歯止めがかからない中、日産は計5000億円規模の融資を3メガバンクと日本政策投資銀行に要請したと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにしていた。

(COOとアナリストのコメントを追加して更新します)
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