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日銀の無制限国債購入、市場の反応は冷ややか-「80兆円めど」形骸化

  • 実勢で日銀が保有する国債残高の増加ペースは年10兆円強のみ
  • コロナ問題受けた体のいい正常化措置と言えなくない-SMBC日興

日本銀行が国債購入のめどを撤廃して無制限の購入策を打ち出すとの観測について、債券市場では冷ややかな見方が広がっている。足元の買い入れペースがめどを既に大幅に下回っており、形骸化しているためだ。

  みずほ証券の丹治倫敦チーフ債券ストラテジストは、「拡張しても実質的な意味はほとんどなく、無制限という言葉のインパクトのみが独り歩きしている」と指摘する。SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジストは、めどの撤廃について「コロナ問題に乗じた体のいい正常化措置と言えなくもない」とした。

  24日の日本経済新聞によると、日銀は27日の金融政策決定会合で新型コロナウイルス対応の追加金融緩和策として、国債購入額の年「80兆円めど」を撤廃し、量を制限なく買えるよう議論するという。

  ただ、実勢では日銀が保有する国債残高の増加ペースは年10兆円強と、めどを大幅に下回っている。日銀は2016年9月に長短金利操作(イールドカーブコントロール)策を導入。その際に国債買い入れは金利目標達成の手段としており、買い入れペースも落ちている。

  市場では、7月の国債増発に備えた対応との見方もある。国民1人当たり10万円給付の財源確保で今年度の国債発行計画が見直され、カレンダーベースの市中発行額は当初予算比24兆円増の152.8兆円に膨らむ。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「国債発行増額を前に需給悪化懸念は封じ込まれていく」と予想、「緩和強化の文脈でのめど撤廃との整合性を考慮し、買い入れオペの増額をより積極的に進める可能性はある」とみている。

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