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個人投資家がFXに回帰、値幅拡大で好機到来ーテレワークも追い風

  • 取引金額は3月に過去最高、ドル・円取引は2.7倍
  • 新型コロナウイルス禍の在宅勤務も取引増に影響との声
A pedestrian wearing a protective mask walks outside a train station in the Shibuya district of Tokyo, Japan.

A pedestrian wearing a protective mask walks outside a train station in the Shibuya district of Tokyo, Japan.

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
A pedestrian wearing a protective mask walks outside a train station in the Shibuya district of Tokyo, Japan.
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

新型コロナウイルス感染拡大を受けた相場の変動で、個人投資家のFX取引が活発化している。ドル・円相場が月間ベースで約3年ぶりの大きな値動きとなる中、これをチャンスとばかりに投資家が集まった。新型コロナによる外出自粛要請やテレワークの推進で、自宅から気軽に取引に参加できるようになったことも追い風になった。

  ドル・円の値幅は、3月に上下で10円近く動き2016年11月以来の大きさとなった。外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は、「特に9日~10日の急落から急反発の局面での取引がかなりの割合を占めていた」と言い、相場が急変したその月に取引が増えたと指摘した。

  金融先物取引業協会が公表した店頭FX月次速報によると、20年3月の出来高は前月比で約2.5倍となる1015兆6123億円と過去最高を記録。取引通貨ペア別ではドル・円が71%を占める721兆4103億円と2月の出来高のおよそ2.7倍となった。

  

2020年3月のFX取引高は過去最高を記録

ドル・円取引が7割を占める

出所:一般社団法人金融先物取引業協会、Bloomberg

その他通貨ペア内訳:ユーロ・円、ポンド・円、豪ドル・円、スイスフラン・円、カナダドル・円、NZドル・円、南アランド・円、ユーロ・ドル、ポンド・ドル

 

  取引高が急増した背景には、テレワークなどの在宅勤務の傍ら、日中に取引ができるようになったことも影響している。神田氏は「今まで欧州時間からNY時間(日本時間の午後7時から午前0時)にかけて取引高が多かったのが、日中でも増えてきている。4月に入ってからも緊急事態宣言が発令され、テレワーク勤務が増える中で継続している印象がある」とみる。

  投資歴14年という大阪在住の個人投資家(40歳)の本業は大手IT関連会社の営業職だが、新型コロナの影響で2月末から在宅勤務になった。以前は基本的に夜間トレードをしていたが、在宅勤務に入り「昼間のチャートを確認する機会が増え、昼間のトレード頻度が上がった」という。取引スタイルも、それまでは相場の流れに乗ってスワップポイントも取るスイングや長期投資が中心だったが、在宅勤務とともに「デイトレードの頻度が飛躍的にあがった」と述べた。

  ドル・円相場の日中値幅をみると、3月は3円を超える日が5営業日あり、こうした日にごく短いスパンの間で何度も売買を繰り返すデイトレードの手法である「日計り取引やスキャルピング取引が活躍した」と神田氏はみている。

  

年初からのドル・円の日中値幅の推移

  

  3月の相場急変は既存の投資家による取引増加のみならず、新規の取引参加者も呼び込んだ。東京金融取引所が運営する「くりっく365」のデータによると、3月の口座数は99万3390、前月比1%増と19年1月以来の伸び。上田ハーロー外貨証拠金事業執行担当役員の山内俊哉氏は「動いていることがニュースになったりすると、収益チャンスが増えるということで新規参入が増えたと思う。円高に対する感応度が高く、安くなった外貨に魅力を感じて取引をしたくなるというのもあっただろう」との見方を示した。

  足元では値動きがやや小さくなり、方向感も鈍ってきているものの外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は「一時のようではないかもしれないが、11月、12月、1月に比べると明らかに相場はまだ活発だ」とみている。

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