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もし金正恩氏でなければ、次の最高指導者は誰になるのか-北朝鮮

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長に健康不安説が浮上し、後継者を巡る深い不透明性が浮き彫りになった。金一族の支配が続く同国では70年にわたり父からその息子へと権力が引き継がれてきたが、36歳の正恩氏は後継者をこれまでに明らかにしていない。自らの子供はまだ若く、一族の中で生き残った成人は全員、最高指導者の地位に就くには支障がありそうな要因を抱える。

  後継者となる可能性があるのは以下の人たちだ。

金与正、妹

North Korean Leader Kim Jong Un Visits The Monument to War Heroes and Martyrs And Ho Chi Minh Mausoleum

ハノイで式典に出席した金与正氏(2019年)

  金与正氏は正恩氏の最側近の1人として浮上しており、今月には朝鮮労働党の政治局員候補に選出された。一族の中で実権と言えるようなものを持っているのは正恩氏以外では現在、与正氏だけだ。

  一族の中で初めてソウル訪問を果たし、トランプ米大統領や中国の習近平国家主席と正恩氏の首脳会談にも同行する一方、中国で列車の停車中に正恩氏が吸ったたばこの火を消すのを手伝うなど、日常の世話役もこなす。北朝鮮の父権的な体制のエリートが、比較的若い女性を次の「最高指導者」として支えるかどうかは不明だ。

正恩氏の息子

  建国者である祖父の金日成氏から父の正日氏、さらに正恩氏へと権力が受け継がれてきた金王朝にとっては、男子への継承が最も慣習にのっとった形となる。正恩氏は夫人との間に3人の子供がいるとされる。

  問題は国営メディアで公に言及されたことはなく、韓国紙の東亜日報によると最も年長の子供でも2010年に生まれた息子だとされることだ。米プロバスケットボールNBAの元スター選手で北朝鮮を訪問したことがあるデニス・ロッドマン氏は13年、ジュエという名前の女の子の赤ちゃんを抱きかかえたと語っていた。いずれかの子供が指導者の地位を継ぐとしても、成人になるまでは摂政のような統治形態が必要になる公算が大きい。

金ハンソル、おい

  1995年生まれの金ハンソル氏は、父の金正男氏が正日氏と仲たがいしてマカオに移り住むことがなければ、確実な後継者だったかもしれない。正男氏は金正恩氏の異母兄で、正恩氏の体制を時に批判していた。

  ハンソル氏が北朝鮮に帰国する可能性は、正男氏が2017年に暗殺されたことで完全についえた。韓国紙の中央日報が当時伝えたところによると、中国の警察はハンソル氏暗殺のため北京に派遣されたとされる北朝鮮人数人を逮捕した。ハンソル氏の現在の所在は不明なままだ。

金正哲、兄

  金正哲氏は正恩氏にとって生き残っている唯一の兄弟だ。とはいえ、政治よりもギターに関心があるようで、最高指導者の地位に就く見込みは薄い。駐英北朝鮮公使で韓国に亡命した太永浩氏は正哲氏について、「公的な肩書は何もない」とし、「真に才能あるギター奏者であるだけだ」と述べたことがある。韓国のKBSテレビは、11年に正哲氏がシンガポールでエリック・クラプトンのコンサートを楽しむ姿を捉えた。金正恩氏と同様にスイス留学歴がありNBAのファンだということ以外、あまり知られていない。

原題:
If Not Kim Jong Un, Who? Possible Heirs to North Korea’s Throne(抜粋)

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