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Photographer: David Paul Morris
cojp

マイナス40ドル歴史的急落のNY原油-需要減で貯蔵限界、限月要因も

更新日時
  • 期近の取引終了に伴う現物受け渡しに必要な貯蔵施設の確保は困難
  • トランプ大統領は戦略石油備蓄を最大7500万バレル積み増す方針表明

ニューヨーク原油先物相場が、歴史的急落を演じ一時マイナス圏に突入した。新型コロナウイルス感染拡大による需要蒸発で原油貯蔵施設の能力が限界に近づき、限月交代に伴う現物受け渡しに必要な貯蔵先確保を巡る不安も買い手のつかない暴落に拍車を掛けた。

  21日午前のアジア時間帯の取引に入り、ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物5月限はプラス圏を回復し、1バレル=2ドル前後まで戻した。20日のニューヨーク時間帯の取引ではマイナス40.32ドルの歴史的な安値を付けていた。シンガポール時間午前9時50分(日本時間同10時50分)時点では1.76ドル。

  一方、WTI先物6月限は21ドルを上回る水準に上昇。製油所が操業を抑制する状況で、期近限月の取引終了に伴う現物受け渡しで貯蔵施設や販路を見つけることへの不安の高まりが、5月限と6月限のスプレッド急拡大に反映された。シェールオイルの主要生産地であるテキサス州では先週、バイヤーが一部でバレル当たり2ドルの価格を提示していた。

  WTI原油の受け渡し場所である米オクラホマ州クッシングの貯蔵施設の原油在庫は2月末以降48%急増し、約5500万バレルに達した。米エネルギー情報局(EIA)によると、実際に使用できるクッシングの貯蔵能力は昨年9月末時点で7600万バレル。ゴールドマン・サックスのアナリストらは、5月第1週までに満杯になる可能性が高いとリポートで予測した。

  記録的な原油安に苦しむ米国の石油会社支援に前向きなトランプ米大統領は20日の記者会見で、米政府として戦略石油備蓄を最大7500万バレル積み増す方針を表明し、サウジアラビアからの原油輸入阻止を目指す共和党上院議員からの提案を検討する考えも示した。

トランプ氏、最大7500万バレル備蓄増強-サウジ産輸入阻止も検討

  石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」は今月の閣僚会合で、合計日量970万バレルの過去最大規模の減産を5月と6月に実施することで合意。米国でも掘削設備の13%が先週停止するなど減産ペースが加速しているが、貯蔵能力の限界を回避するには十分でない。

  コロンビア大学の世界エネルギー政策センターのジェーソン・ボードフ所長は「米国代表油種のマイナス40ドル台という前代未聞の暴落は、5月限の納会要因が大きい」と指摘。貯蔵能力が満杯になる中で、供給が今後抑制され、OPECプラスの減産効果が表れ始めるまでは「内在する深刻な構造的問題が米国の原油価格に重くのしかかるだろう」と分析した。

  一方、INGバンクの商品戦略責任者ウォーレン・パターソン氏(シンガポール在勤)は「4月が需要破壊のピークになりそうだ。その後はゆっくりと回復し始める」との見方を示した。ただ、需要が早期に回復し始めない場合、6月限も5月限と「同様の運命」をたどる可能性が高いとしている。

原題:Oil Rebounds From Record Wipeout With Prices Edging Above Zero

Oil Rebounds From Record Wipeout With Prices Edging Above Zero

Trump Says He’ll Add to Oil Reserve and Eyes Saudi Shipments(抜粋)

(原油在庫の状況や市場関係者の見方を追加して更新します)
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