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3月輸出は11.7%減、16年7月以来の落ち込み-新型コロナ拡大で

更新日時
  • 対米輸出は16.5%減、11年4月以来の減少率-自動車など大幅減
  • 輸出は4月に向けて2割近く落ちる可能性も-SMBC日興の宮前氏

財務省が20日発表した3月の貿易統計によると、新型コロナウイルスの感染拡大で世界の経済活動が停滞する中、日本の輸出は前年同月比11.7%減と、2016年7月(同14%減)以来の落ち込みとなった。米国向け自動車などの出荷が振るわなかった。輸出から輸入を差し引いた貿易収支は49億円の黒字と、2カ月連続の黒字だった。黒字幅は市場予想よりも小さかった。

キーポイント

  • 3月の貿易収支は49億円の黒字(ブルームバーグ調査の予想中央値は4599億円の黒字)-前月は1兆1088億円の黒字
    • 輸出は前年同月比11.7%減(予想は9.4%減)の6兆3579億円と16カ月連続減少-前月1.0%減
      • 輸出数量指数は11.2%減
    • 輸入は5.0%減(予想は8.7%減)の6兆3529億円と11カ月連続減少-前月13.9%減
  • 米国向け輸出は16.5%減-11年4月以来の減少率
  • 中国向けの輸出は8.7%減と3カ月連続マイナス、輸入は4.5%減と8カ月連続マイナス

   

新型コロナの世界的な感染拡大が影響

エコノミストの見方

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト:

  • 輸出は弱い。世界的な感染拡大の影響が出ており、4月に向けて2割近く落ちる可能性がある
  • 地域別では、米国、アジア、中東・ロシア全般に落ち込んでいる
  • 品目別では、加工機械関連が弱く、特に輸送機器が弱い。需要の落ち込みによる工場停止の影響が出ている
  • 輸入の減少は原油安の影響だが、2月ほど落ち込んでいないのは中国からの輸入の回復。供給制約は解消に向かっている

農林中金総合研究所の南武志主席研究員:

  • 輸出はまだここからさらに悪化する。今日の統計からも新型コロナの影響が世界中に広がっているのがよく分かる
  • 新型コロナの影響で消費者としては自動車のような耐久消費財を買う必要性を感じていないだろう
  • 中国からの輸入の減少幅は大きく改善したが、中国は回復というには程遠い。ここからの回復までの過程も緩やかなものになると予想する
  • 現状、世界経済の中でけん引力を見つけるのは難しい。第2四半期、下手をすれば第3四半期も日本経済は厳しい状況が続く

詳細(財務省の説明)

  • 輸出入ともに新型コロナの世界的な感染拡大が影響した可能性がある
    • 輸出の主な減少品目は、米国向けの自動車、シンガポール向けの船舶、中国向けの自動車部分品
    • 輸入の主な減少品目は、オーストラリアからの石炭とLNG。一方、中国からの通信機輸入が全体を下支え
  • 輸入について、中国からの減少率改善は、中国での生産活動の一部再開が影響した可能性がある
    • 米国からの輸入増加は、航空機類の増加が一因
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(詳細を追加し、エコノミストコメントを差し替えて更新しました)
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