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FRBがジャンク債購入へ、最大250兆円追加供給-中小企業支援

更新日時
  • 州・地方政府の債券や一部のCLO、CMBSも対象
  • いずれ来る回復をできるだけ力強いものに-パウエルFRB議長
Fed Chair Powell Testifies Before The House Financial Services Committee
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
Fed Chair Powell Testifies Before The House Financial Services Committee
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

米連邦準備制度理事会(FRB)は9日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に対応した経済支援策として、新たに最大2兆3000億ドル(約250兆円)を供給する一連の措置を発表した。金融市場で最も打撃を受けている高リスク分野への支援も約束しており、新型コロナ流行による経済的打撃の大きさをあらためて浮き彫りにした。

  FRBの発表によると、中小企業や州・地方政府の支援向け融資に2兆3000億ドルを投じる。高利回り債やローン担保証券(CLO)、商業用不動産ローン担保証券(CMBS)の一部も買い入れ対象とする。

  今回の措置はFRBが既に発表した大規模な景気刺激策に上乗せするもので、これまで当局が避けていた投機的な融資活動に踏み込むものであり、景気てこ入れのためパウエル議長がリスクを取ることも辞さない姿勢を鮮明にした。

  パウエル議長は新たな措置の詳細発表に伴う声明で、「米国は公衆衛生の危機に対処することを最優先しなくてはならない」と表明。「経済活動が抑制されている時期において、FRBの役割は最大限の安心と安定を提供することだ。この日の行動は、いずれ来る回復を可能な限り力強いものにするであろう」と説明した。

  議長は詳細発表後に90分間オンラインで講演。「われわれは回復が着実に軌道に乗っていると確信するまで、これらの権能を力強く、先制的かつ積極的に活用し続ける」と述べた。

  発表直後に社債と株価は上昇した。高利回り債は最大の値上がりを見せたセクターの1つで、こうした債券に連動する大型上場投資信託(ETF)の一部は10年で最大の上昇を記録した。

  しかし、今回の措置の性質はFRBの伝統的な境界を越えて、比較的低い格付けの債券と地方自治体の債券を購入するものであるため、当局の将来的な役割に疑念が浮上している。

  バークレイズ・キャピタルの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・ゲーペン氏は「FRBは今や、やるべきであり実行可能だとわれわれが考えることをほぼ全て実行している」と指摘。ただ、地方債の直接買い入れでFRBは政治的に気まずい立場に置かれる可能性があるとし、「勝者と敗者を選ぶことになり、当局は政治的批判を受けるだろう」と付け加えた。

  パウエル議長はブルッキングズ研究所が主催したウェブキャストでの講演で、そうした問題に言及。「信用フローの支援で当局が実行するプログラムの多くは、極めて異例な状況でのみ利用できる緊急融資の権能に基づく」とし、「これらは支出能力ではなく融資能力であることを私は強調する。特定の受益者に資金を供与する権限は金融当局にはない」と説明した。

  今回発表されたプログラムの内訳を見ると、「地方自治体流動性ファシリティー」は州・地方自治体に最大5000億ドルの融資を提供。メーンストリート貸付プログラムは最大6000億ドルのローン債権買い入れで中小企業への確実な信用フローを図る。

  先に整備した「プライマリーマーケット・コーポレートクレジットファシリティー(PMCCF)」および「セカンダリーマーケット・コーポレートクレジットファシリティー(SMCCF)」、資産担保証券(ABS)を対象とした「タームABSローン・ファシリティー(TALF)」をそれぞれ拡充し、最大8500億ドルの信用をサポートする。

  このほか、米中小企業局(SBA)の「給与保証プログラム(PPP)」の効果を高める「PPP流動性ファシリティー(PPPLF)」を新設し、小規模企業へのPPP融資に裏付けられたタームファイナンスを通じて参加金融機関に流動性を提供する。

原題:Fed to Buy Junk Bonds, Lend to States in Fresh Virus Support (1) (抜粋)

(パウエル議長の講演などを追加します)
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