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アジアの富裕層、人気の仕組み債で巨額損失に直面-9兆円近く投資か

アジアの富裕層が長期にわたる低金利の中で選好してきた仕組み商品が最近の相場急落の影響を受け、投資家に巨額損失を与えようとしている。

  「フィックスト・クーポン・ノート」と呼ばれる仕組み商品は近年、香港とシンガポールのプライベートバンク顧客を大勢引き付けてきた。ブルームバーグが取材したバンカーやアドバイザーらが語った。

  相場変動でも一定のクーポンを約束する商品に、ポートフォリオの20%以上を投資する人もいたという。ただ、株価などが想定以上に大きく下落すれば元本が毀損(きそん)する。

  中国本土以外のプライベートバンク顧客資産の約5%、800億ドル(約8兆7000億円)余りが恐らくこのような商品に関わっていると、香港大学のドラゴン・タン教授が見積もった。

  新型コロナウイルス感染症(COVID19)に襲われるまでは問題なかった。しかし株式相場が下落し借り入れの多い投資家が清算を迫られる中で、約束された高金利は元本毀損によって無意味なものになっている。一部の投資家は回復を期待して持ち続けている。

  債券価格評価を提供するフィンテック企業ボンドエバリューの創業者、ラウール・バナジー氏は「上昇相場では投資家はこうした証券からのクーポンを受け取り続け、素晴らしい投資だと考える」が、「相場が反転すると想像もできないような損失に直面する」と述べ、アジアの富裕層投資家の損失は数十億ドル規模に上るだろうと見積もった。

  相場が上昇しているか横ばいである限り有利なこうした商品のクーポンは最大で年12%にもなり得るが、原資産があらかじめ定められた水準を下回ると大きな損失を生むリスクがある。

  借入金で購入していた投資家は価格下落の初期にかなりのディスカウントで売りを強いられたと、事情に詳しい関係者が個人的な問題だとして匿名を条件に述べた。保有を続けている人は、損失を取り戻せる可能性がある。MSCIワールド指数は1-3月(第1四半期)に21%下落したが、4月に入り約3%上昇している。

原題:Rich Asians Face Billions in Losses on Structured Notes (1)(抜粋)

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