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首都圏封鎖ならカナダと同等規模の経済活動がまひの恐れ

  • 東京など4都県の域内総生産は182兆円-世界11位相当
  • 日本の大企業のうち51%が東京圏に本社を置いている

新型コロナウイルスの感染者急増で緊急事態宣言が発令され、東京首都圏が都市封鎖(ロックダウン)に追い込まれれば、カナダと同等規模の経済活動がまひする恐れがある。

  新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の影響で経済活動が停止した欧州諸国に比べれば、日本国内の活動はそれほど厳しく制限されていないが、感染者数急増を受け、東京圏自治体が住民に外出の自粛、レストランや小売店に休業を要請する緊急事態宣言発令の懸念が強まっている。

Streets of Tokyo as Metropolis Braces for Critical Weekend in Fight to Contain Outbreak

閑散とする新宿駅(3月28日)

  東京と隣接する神奈川、千葉、埼玉の4都県が日本の国内総生産(GDP)の約3分の1を占めることを考えれば、東京圏のロックダウンは国内の景気悪化に拍車をかけることに間違いない。昨年の消費増税と大型台風などの影響から日本経済は既に縮小に転じ昨年10-12月期のGDPは前期比年率7.1%減。

   

東京圏の経済規模は世界レベル

世界ランキングにあてはめれば11位

出所:ブルームバーグ・データ、内閣府

備考:東京には神奈川、埼玉、千葉の生産が含まれている



  明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミストは、東京がロックダウンになったら経済活動がほぼストップしてしまうことになるため、「オリンピックの延期よりも影響は大きくなる」と指摘。仮にロックダウンが1カ月続いた場合、夏場に新型コロナが収束して回復に向かうという前提でも「2020年のGDPを1%くらい押し下げる要因になる」と予想する。

  小池百合子都知事は先週末、不要不急の外出自粛を都民に要請したのに続き、30日の会見でも夜間から早朝にかけて営業しているバー、ナイトクラブ、酒場など接客を伴う飲食業の場への出入りを控えるよう求めた。特に感染源が分からないケースが増加していることに強い懸念を示した。

約1590万人の購買力

  東京圏の域内総生産は年間約182.2兆円で、世界のGDPランキングに当てはめると11番目の規模だ。トヨタ自動車の本社も含む製造業が盛んな東海地域とは異なるが、日本の大企業のうち51%が東京圏に本社を置き、輸出の2割余り、輸入のほぼ3分の1はここを経由していく。

  この東京圏の住民と通勤者を合わせた昼間人口約1590万人の購買力を考えれば、都市封鎖の経済的影響はさらに深刻なものとなる。

Streets of Tokyo as Metropolis Braces for Critical Weekend in Fight to Contain Outbreak

臨時休業の張り紙が貼られた東京の店舗(3月28日)

  経済センサス16年によると、小売業の東京都内の事業所数は約9万7000で、年間商品販売額は約20兆6000億円となっており、自粛ベースであっても閉鎖の影響は深刻だ。これに卸売業の事業所数約5万4000、年間商品販売額179兆円余りを加味すればさらに影響はさらに大きくなる。外出自粛の影響をまともに受けかねないのが「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングのような非生活必需品を販売する小売業者だ。

  安倍晋三首相は28日、景気の悪化を下支えるため、過去最大規模の経済対策を策定する方針を表明。無利子融資を民間金融機関でも受けられるようにすることなどを盛り込んだ20年度補正予算案の編成を急ぐ。経済対策は財政、金融、税制を総動員したものとなる見通し。

東京五輪の開催延期、安倍政権に財政支出の拡大迫る公算大

  卸売業と小売業で都内の生産高の20%を占める。小池都知事がロックダウンの可能性に言及し、週末の外出自粛を要請した後、企業側は既に対応に動いた。スターバックスは週末に都内と周辺地域の数百店舗を休業、高島屋などの百貨店は週末の休業または営業時間を短縮すると発表した。

Streets of Tokyo as Metropolis Braces for Critical Weekend in Fight to Contain Outbreak

人通りの少ない渋谷(3月28日)

  日本国内の新型コロナ感染者数は約1900人と、他国に比べると依然として驚くほど少ない。ただ、住民らの気が緩み始めて感染の第2波が襲ってくるとの不安はくすぶっている。

  野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、ロックダウンが1カ月続けば日本全体の個人消費を2.49兆円減少させ、年間GDPの0.44%が失われると予想。キャピタル・エコノミクスは、ロックダウンが続く限りGDPは5%押し下げられるとみる。

  西村康稔経済再生担当相は31日の会見で、多数の人口を抱え、経済の中心地である東京、大阪でロックダウンのような事態を招けば、「わが国国経済に甚大な影響が及ぶことは間違いない」との認識を示した。

原題:Tokyo’s Economy Could Face Lockdown From Few Dozen Virus Cases(抜粋)

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