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GPIF:主要資産の基本保有比率25%で統一、外債最大31%可能

更新日時
  • 国内外の債券・株式の4資産とも目標値が25%に-2020年度から
  • 国内債券は引き下げ、国内外の株式は従来の目標値を維持

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は31日、主な運用資産の基本的な保有比率を25%に2020年度から統一すると発表した。外国債券は従来の水準から10ポイント引き上げ、逆に国内債券は10ポイント引き下げる。国内外の株式は25%ずつの目標値を維持する。オルタナティブ(代替)投資は資産全体の5%に据え置く。

  GPIFは外債の目標値引き上げに合わせ、目標値からの乖離許容幅を現在の上下4%ポイントから同6%ポイントに拡大。市場価格や円相場が変動しても大規模で頻度の高い取引をしなくて済む形にした。一方、国内債は7%ポイント、国内株は8%ポイント、外株は7%ポイントに縮小した。このほか、保有債券・株式の乖離許容幅を国内外で合算してリスク管理する手法も導入。債券、株式とも上下11%ポイントとし、ポートフォリオのリスク管理を強化した。

  日本銀行による大規模な金融緩和策を背景とした国内の超低金利状態が長期化する中、GPIFは安全資産とされる国債中心の運用から価格変動リスクと収益性が比較的高い日本株や外貨建て資産重視へと徐々に舵を切ってきた。運用資産額は目標値をリスク性資産中心に変更した約5年半前から38兆円余り増えており、この方針をさらに強化する。

  外債の保有増に伴って為替差損の回避措置(ヘッジ)を講じた外債投資を国内債扱いとする昨年10月からの時限措置は外債比率の引き上げにもかかわらず継続。超低金利が続く国内債の比率低下を補うために短期資産を国内債に算入している措置は円建て分については続け、外貨建ての短期資産は外債に算入して管理する。

  GPIFの高橋則広理事長は同日午後の記者会見で、公的年金制度の長期的な維持に必要な「賃金上昇率プラス1.7%という目標を満たすために最もリスクが小さいポートフォリオを選んだ」と説明。国内外の債券比率の変更については「内外の成長率に構造的に差が出てきている。利回りや配当を海外に求めた」と述べた。国内の為替ヘッジ市場の規模を考慮すると、ヘッジ付き外債の保有規模には自ずと限界があるとの考えも示した。

  GPIFは昨年末の運用資産169兆円に占める各資産の保有実勢も公表。国内債は24.87%、国内株は24.97%、外債は為替ヘッジなしが18.10%、ヘッジ付きが1.11%、外株は27.58%、短期資産は3.38%だった。財務省の統計では今年に入って、年金勢などによる大規模な外債投資が続いている。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジストは、新たな乖離許容幅を見ても「外債のウエートを高めるスタンスに変わってきている」と指摘。新型コロナウイルスを巡る世界的な株価の変動も踏まえ、「やや安全志向的で、リスクコントロールの観点でぶれを小さくしたいのだろう」と話した。

(GPIFの理事長とと市場関係者のコメントを追加して更新します)
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