新型コロナ、東京の感染者数が累計で430人に-1週間で3倍超
広川高史-
夜の繁華街で見えないクラスター発生の可能性も-西村経済再生相
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4月1日にも緊急事態宣言発表のネット情報、菅官房長官が否定
新型コロナウイルスの感染拡大が続いている東京では、29日も最多の68人の感染者が明らかになった。累計では430人となり、22日時点の138人からわずか1週間で3倍超と急増している。感染経路が不明な人も増えており、29日の新たな感染者では調査中も含めて26人となった。
特措法を担当する西村康稔経済再生担当相は29日、NHKの日曜討論で、専門家は感染経路不明の感染者が増えていることに関し、「特に夜の繁華街などで見えないクラスターが広がっているのではないかと懸念している」と述べた。
新型コロナ感染者数が都内で急増
出所:東京都
備考:29日現在の累計感染者数
東京都の資料によると厚生労働省のクラスター対策班は21日付で、東京は現状の対策のままでは26日から4月1日までに患者159人、同月2日から8日に320人増加するとの試算を示していた。
政府が28日に決めた新型コロナウイルス対策の基本的対処方針では、オーバーシュート(爆発的患者急増)といった事態も見据え、「結核病床や一般の医療機関の一般病床等の活用も検討し、ピーク時の入院患者を受け入れるために必要な病床を確保する」などの方策を示した。
国立国際医療研究センターの忽那賢志医師は28日、ヤフーニュースに投稿した記事で「患者数の増加によって、感染症指定医療機関のスタッフへの負荷が限界に達しようとしており、大げさかもしれませんが局地的に医療崩壊が起こってもおかしくない状況」と指摘した。
軽症者は入院とせず自宅療養とすることや、感染症指定医療機関以外の医療機関でも中等症の新型コロナ患者の診療を行うなどの対策が必要と訴えた。同センターでは感染症向けの病床に加えて、元々結核病床に指定されていた病棟をまるごと使って新型コロナ患者の受け入れを行っているという。
小池百合子知事は25日、都民に夜間や週末の不要不急の外出を控えるよう要請。安倍晋三首相は28日の記者会見で、感染経路が分からない患者が東京や大阪など都市部を中心に増加しているとして、ひとたび爆発的な感染拡大が発生すれば「欧米の例から試算すると、わずか2週間で感染者数が今の30倍以上に跳ね上がる」との懸念を示した。
東京での感染拡大を受け、インターネット上では政府が近く緊急事態宣言を発令するとの臆測が拡散している。菅義偉官房長官は30日の記者会見で、政府が4月1日にも緊急事態宣言を発表して2日から首都封鎖が行われるなどといった情報の真偽を問われ、「そうした事実はない」と否定した。
菅氏は国内の現状については「まだ緊急事態宣言が必要な状態ではない」と強調。実際に発令する場合は多方面からの専門的な知見に基づいて判断する必要があるほか、国会にも知らせて進めることになっており、「そうした手続きに入った事実もない」と語った。