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FRB、何兆ドルもの「ヘリコプタークレジット」投下へ

  • 景気対策法案成立すれば、米財務省のバックストップ活用可能に
  • FRBのバランスシートは倍増し9兆-10兆ドルに拡大も
The Federal Reserve in Washington, DC. 

The Federal Reserve in Washington, DC. 

Photographer: Chip Somodevilla/Getty Images 

The Federal Reserve in Washington, DC. 

Photographer: Chip Somodevilla/Getty Images 

これは「ヘリコプタークレジット」と呼べるだろう。

  新型コロナウイルス感染拡大とその影響に対応する大型景気対策がいったん成立すれば、米連邦準備制度理事会(FRB)は何兆ドルもの資金を米経済に投下することになる。こうした行動は前例がなく、2008年の金融危機時の対策を越え、米国が直面する途方もない難局を示唆する。

  JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は「連邦準備制度は市中銀行に対する最後の貸し手から、より幅広い経済にとって最後の手段となる商業銀行に事実上シフトした」とみる。

  景気対策法案ではFRB融資のバックストップとして米財務省に4540億ドル(約50兆円)が配分されており、これにより規模と範囲の両方で歴史的規模となる融資が実施可能になる。この資金はFRBが米国の広範囲な借り手に大量の融資を提供するために活用できるものだ。

  FRBのパウエル議長は26日午前に異例の全米テレビインタビューで、「財務省からのバックストップによる損失吸収能力は1ドル当たり、事実上、10ドル相当の融資をサポートするのに十分だ」と述べ、「この融資については、弾薬がつきることはない」と語った。

Fed balance sheet balloons with more to come

  パウエル議長はNBCの番組「トゥデー」で、4-6月(第2四半期)に見込まれる景気の相当な落ち込みと、年後半の成長再開をつなぐ橋をFRBは作ろうとしていると説明。「それがいつになるか正確に示すのは極めて難しい。ウイルス拡散の状況次第だろう」と述べた。

  同議長はまた、FRBは低金利と信用フローの維持を通じて支援できるが、米国民向けの「緊急の救済」は議会の景気対策パッケージが担うと指摘した。法案には中低所得層の大人1人当たり1200ドル、子供1人当たり500ドルの直接支給が含まれている

  無制限の量的緩和(QE)プログラムとFRBが強化した融資ファシリティーを合わせると、連邦準備制度のバランスシートは既に過去最高水準にある4兆7000億ドルから急拡大する見込みで、9兆ー10兆ドルに達するというアナリストもいる。

  米経済学者ミルトン・フリードマン氏はかつて、深刻なリセッション(景気後退)に見舞われる経済状況で、ヘリコプターから現金をばらまくように、政府や中央銀行が大量に資金供給する「ヘリコプターマネー」という政策を示した。

  中央銀行が国債買い入れで財政資金を供給するヘリコプターマネーとは異なり、今回議会で審議中の法案は、FRBの緊急融資で生じ得る損失吸収資金を提供する。それに基づく融資拡大は、景気刺激よりもむしろ、リセッションを深刻化させかねない信用収縮を阻止するのが狙いだ。

  ライトソンICAPのチーフエコノミスト、ルー・クランドール氏は、「これはヘリコプタークレジットだ。当局は景気刺激の役割よりも火消し役を引き続き担っている」と指摘した。

原題:Fed to Launch Multitrillion Dollar Helicopter Credit Drop (1) (抜粋)

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