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東京五輪の開催延期、安倍政権に財政支出の拡大迫る公算大

  • 五輪の景気押し上げ期待消え、財政の規模拡大必要になる可能性
  • 一部エコノミストは経済対策の総額がGDPの10%に達すると予想

東京五輪・パラリンピックの開催延期に伴い、五輪を起爆剤に日本経済が底上げされるとの希望は消えうせ、その代わりに財政支出を大幅に積み増す方向へと状況は変化しそうだ。

  政府は企業倒産を防ぎ、景気の立て直しに必要な対策の策定に向けて専門家や企業の代表者らから意見を聞くヒアリングを行っている。新たな支援策としては、資金繰りが厳しい企業向け融資プログラムなどの支援策、家計支援を目的とする現金給付、消費税率の時限的な引き下げなどの案が浮上している。

  大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは、昨年末の大型経済対策が五輪後の景気減速の備えとの位置付けであることから、それをどうやって修正しながら対応していくのかは工夫と頭の使い方が大事になるとみている。

事業規模26兆円の経済対策を決定、アベノミクス加速と安倍首相

Gaping Budget

Japan's finances will take a hit as spending rises

Bloomberg, DBS forecast for 2020

  安倍晋三首相は今、五輪後の景気押し上げ策の代わりに、新型コロナで打撃を受けた日本経済を支える方策を見つける必要に迫られている。2020年の目標としていた訪日外国人客4000万人による効果はもはや期待できない。

  東京都が海外の諸都市と同じようにロックダウン(都市閉鎖)という事態となれば、状況は一段と深刻になりかねない。都内で新型コロナ感染者数の増加ペースが足元で加速する中、小池百合子都知事は都民に不要不急の外出自粛を要請した。

大規模な財政支出

  既に大きな数字が飛び交っている。自民党の若手議員が30兆円規模の補正予算編成を提言した際、それは絵に描いた餅のようにも見えたが、エコノミストの中にはこれを上回る規模の財政支出を予想する向きもいる。

  農林中金総合研究所の南武志主席研究員は、米国が200兆円など桁違いの経済対策を打ち出す中、規模感として日本も最終的には50兆円程度になるのではないかと予想。経済対策の内容としては、セーフティーネットを強固にし、雇用者に安心感を与えるものでないといけないと言う。

  大和証の岩下氏は、追加での経済対策は24兆円程度で、昨年末の対策と合わせて50兆円(事業規模含め)と国内総生産(GDP)の10%くらいの規模にしてくるのではないかとみている。

  みずほ総合研究所の宮嶋貴之主任エコノミストは、「五輪だけで景気が悪化するわけではなく、パンデミック(世界的大流行)になってしまったことによる景気下押し効果の方がはるかに大きい。下手したら瞬間風速的にリーマンショック級になる可能性がある」と語った。

原題:
Olympic Delay Puts Pressure on Japan to Pick Up Spending Pace(抜粋)

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