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中国で公表されない無症状の新型コロナ感染例-知らぬ間に伝染拡大も

  • 新型コロナの感染症例、中国は公式統計に無症状含めず
  • 症状ない感染者がウイルス拡散の主な要因の可能性-発見に難しさ

新型コロナウイルスの感染症例を巡り、中国当局が公式統計から無症状の人々を除いていることで、感染拡大が本当に抑え込めているのかとの懸念が再燃している。

  国内メディアの財新は無症状の感染例が武漢市で日々確認されていると報じたことを受け、新型コロナが最初に発生した同市の衛生健康委員会は23日夜、無症状を含めない措置を擁護した。

Wuhan Gradually Goes Back To Work During Lockdown

武漢の東風風神工場でそれぞれ2メートル間隔で昼食を取る従業員(3月24日)

  日本や韓国、シンガポールなどは咳(せき)や発熱、のどの痛みなどの症状がなくても検査で陽性なら感染例として公式に数えている。

  武漢市の衛生健康委は23日の声明で、新型コロナの無症状感染者が症状を示すまで進行するのは少数であり、大半は「自己回復」すると主張。だが、保健の専門家が懸念しているのは症状を一度も示さない感染者が知らぬ間にウイルスを広げている恐れがある点だ。

  中国政府は約2カ月に及ぶ新型コロナの封じ込め措置で感染拡大を制御できていると説明しているが、国内で非公表の無症状感染例がありそうなことで説得力が弱まる可能性もある。

  グリフィス大学のナイジェル・マクミラン教授(感染症・免疫学)は「陽性ではあるが症状がなければカウントしないというのは私には理解できない」と話す。新型コロナ感染症については「明らかに多くの新しい特徴を備えており、1つは無症状の人々の感染能力だ」と語る。

発見に難しさ

  中国当局は24日、無症状の人々が感染拡大を再燃させる可能性について不安の軽減に努めた。中国疾病予防コントロールセンターの呉尊友研究員は記者団に対し、「無症状の人々が感染拡大を引き起こすことはない。中国で濃厚接触者は全て個別に隔離されているためだ」と説明。

  呉氏は、新型コロナは潜伏期間の終了と発症の間に「放出のピーク」を迎えるとして、この段階にある人に健康な人が接触した場合、感染が起きる可能性があるとも指摘した。

  武漢市の保健当局は無症状の感染者が「一定の伝染リスク」をもたらすとは認めながらも、新型コロナは既に症状を示している患者から主に広がるとの世界保健機関(WHO)の研究結果を引用。「無症状の人々が主な感染拡大源とはならないかもしれない」とコメントした。

  一方、グリフィス大のマクミラン教授は新型コロナに感染し症状も示している人が無症状の人々より感染力はあるとしながらも、症状のない感染者がウイルス拡散の主な要因である可能性はあると指摘。症状がなければ検査に至らず、発見することが難しい点を理由に挙げた。

原題:China’s Hidden Symptom-Free Virus Cases Means Epidemic Not Over(抜粋)

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